“山人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまびと57.1%
ヤマビト10.7%
さんじん10.7%
やまうど7.1%
やまひと3.6%
やまふと3.6%
ヘルミット3.6%
ヤマヒト3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平安朝になりましては、もはや山人やまびとをわざわざ京都まで呼ぶの手数を省いて、左右の衛士えじが山人の代になって、この儀式をやっております。
私は山の神人カミビト、即山人ヤマビトなるものを、こみ入つた事ながら、説かねばならなくなりました。山守部と山部とは別の部曲です。私は、山部を山人の団体称呼と考へてゐます。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一童子の背にかんを負わせ、先へ山杖ついてゆく藺笠姿いがさすがたは、守護の御領主とはたれにも見えそうもない。画中の一道者どうじゃ山人さんじんのようである。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてそれらの案内たちは、誠に愛すべき純朴な山人やまうどであった。指を屈すれば、先ず、上高地の嘉門次、黒部の品右衛門、牧の喜作、中房の類蔵、大町の又吉、等、総ては今は故人となってしまった。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
かくの如きはもちろん除外例ではあるが、中世までも彼らは山人やまひと海人あまと連称せられて、一般人民との間に或る区別が認められたのであった。
天狗てんぐの大木を伐り倒す音がめりめりと聞えたり、小屋の口あたりで、誰かのあずきをとぐ気配がさくさくと耳についたり、遠いところから山人やまふとの笑い声がはっきり響いて来たりするのであった。
魚服記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一方は即ち孤女院、貧民院等の義挙に同感を表する人情ヒウマニチイ也、他方は即ち禅僧の如き山人ヘルミットの如き、世の所謂いはゆるすね者の如き超然ひとりを楽しむ主我的観念也。吾人は此二の者が幸にして相合せるを祝す。
凡神的唯心的傾向に就て (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
神の用の脚夫で、神聖(ひ)な足の所有者であるらしい。隼人は、速足の聖奴の義らしい。寺人・神人皆奴婢の意を含んだ語である。海人アマヒト部・山人ヤマヒト部も、其だ。