山人やまうど)” の例文
そしてそれらの案内たちは、誠に愛すべき純朴な山人やまうどであった。指を屈すれば、先ず、上高地の嘉門次、黒部の品右衛門、牧の喜作、中房の類蔵、大町の又吉、等、総ては今は故人となってしまった。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
思えば老助七などは、こうした谷間に生をうけて、若い時から危険ななりわいばかり営んで来たせいもあるか、一概に「山人やまうど」という時、想像するのもむずかしいような、一種の神経質にできている。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)