“ねおき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝起50.0%
寐起20.0%
寢起13.3%
起臥6.7%
臥起6.7%
寝臥3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると嬋娟あでやか盛粧せいそうしたお延が澄ましてそこに坐っていた。津田ははっと思った。寝起ねおきの顔へ水をかけられたような夫の様子に満足したらしい彼女は微笑をらした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はゝは年に一二度づつは上京して、子供の家に五六日寐起ねおきする例になつてゐたんだが、其時は帰る前日ぜんじつからねつだして、全くうごけなくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
關口で買ふ舶來化粧品の功能が見えて、顏は水が垂るやうに美しい。寢起ねおきに蒼過ぎたほゝも、鴾色ときいろに匂つてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
広巳は庖厨口かってぐちからゆるゆると出て往った。出口には車井戸があってじょちゅうの一人が物を洗っていた。車井戸の向うには一軒の離屋はなれがあった。それが広巳の起臥ねおきしているへやであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
 田舎においては、すべての人人が先祖と共に生活してゐる。老人も、若者も、家婦も、子供も、すべての家族が同じ藁屋根わらやねの下に居て、祖先の煤黒すすぐろ位牌いはいを飾つた、古びた仏壇の前で臥起ねおきしてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
下廻で宿屋に往けないので小屋に寝臥ねおきしていた石川はその女と関係して夫婦約束までした。
唖娘 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)