寢起ねおき)” の例文
新字:寝起
それくらべてときは、鳥籠とりかごなかせまけれども、二疊にでふばかりあるらむを、なんぢ一人ひとり寢起ねおきにはよも堪難たへがたきことあるまじ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
關口で買ふ舶來化粧品の功能が見えて、顏は水が垂るやうに美しい。寢起ねおきに蒼過ぎたほゝも、鴾色ときいろに匂つてゐる。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
寢起ねおきの機嫌の惡いお倉だ」
五日いつか六日むいか心持こゝろもちわづらはしければとて、きやくにもはず、二階にかい一室ひとまこもりツきり、で、寢起ねおきひまには、裏庭うらにはまつこずゑたかき、しろのもののやうなまどから、くも水色みづいろそらとをながら、徒然つれ/″\にさしまねいて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)