起臥ねおき)” の例文
宿直室に起臥ねおきしてゐる校長が漸々やうやう起きて顔を洗つたばかりのところへ、二里の余も離れた処にある分校の目賀田といふ老教師が先づ来た。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
広巳は庖厨口かってぐちからゆるゆると出て往った。出口には車井戸があってじょちゅうの一人が物を洗っていた。車井戸の向うには一軒の離屋はなれがあった。それが広巳の起臥ねおきしているへやであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
定七夫婦はそこに起臥ねおきしていた。広巳はぼんやりお町を見た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)