起臥おきふ)” の例文
彼女はいま財界になくてならぬ大名士だいめいしの、時めく男爵夫人である。飛鳥山あすかやまの別荘に起臥おきふしされているが、深川の本宅は、思出の多い、彼女の一生の振出しの家である。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
父母に七一孝廉かうれんの聞えあり、貴きをたふとみ、いやしきをたすくるこころありながら、七二三冬のさむきにも七三きう起臥おきふし、七四ぶくのあつきにも七五かつすすぐいとまなく
年老いてただひとりなるピナテールしづかなるごとくなほも起臥おきふ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
さぶねぐら起臥おきふして
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
病みながら秋のはざまに起臥おきふしてけふも噛みたるいひいしあはれ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
われ病みて旅に起臥おきふしありしかば諏訪すはまつりにけふ逢ひにける
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)