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嫁入
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よめいり
ふりがな文庫
“
嫁入
(
よめいり
)” の例文
沛然
(
はいぜん
)
として金銀の色に落ちて来た、と同時に例の
嫁入
(
よめいり
)
行列の影は
何町
(
なんちょう
)
を
往
(
い
)
ったか、姿は一団の霧に隠れて
更
(
さ
)
らに
透
(
すか
)
すも見えない。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
嫁入
(
よめいり
)
の
支度
(
したく
)
で
忙殺
(
ばうさつ
)
されるのみならず、
屹度
(
きつと
)
貧殺
(
ひんさつ
)
されるだらうとか
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
になると、
子供
(
こども
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
には
夫程
(
それほど
)
の
同情
(
どうじやう
)
も
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
カピ妻 はい、
申
(
まう
)
しましたなれど、
有難
(
ありがた
)
うはござりますが、
望
(
のぞ
)
まぬと
言
(
い
)
うてゐます。
阿呆
(
あはう
)
めは
墓
(
はか
)
へ
嫁入
(
よめいり
)
したがようござります!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
なさず又母は
樽見村
(
たるみむら
)
の百姓源兵衞の娘にて妹一人あり此妹に家を
繼
(
つが
)
せ自分は傳吉の家へ
嫁入
(
よめいり
)
せしに父源兵衞病死の後は妹お早
身持
(
みもち
)
宜
(
よか
)
らず
聟
(
むこ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かみさんや娘は、
油煙
(
ゆえん
)
立つランプの
傍
(
はた
)
でぼろつぎ。兵隊に出て居る
自家
(
うち
)
の兼公の噂も出よう。東京帰りに兄が見て来た都の
嫁入
(
よめいり
)
車
(
ぐるま
)
の話もあろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
橘屋
(
たちばなや
)
という呉服屋の番頭は長年母の実家の御出入であった関係から母の
嫁入
(
よめいり
)
した先の家まで商いを弘めたのである。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おてもやん、おてもやん、あんた
嫁入
(
よめいり
)
したではないかいな。嫁入りしたことしたばってん、
権
(
ごん
)
じゃあどんのぐじゃっぺだるけん、
未
(
ま
)
あだ
盃
(
さかずき
)
ゃせんだった。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
鼠
(
ねずみ
)
の
嫁入
(
よめいり
)
に
担
(
かつ
)
ぎそうな小さな
駕籠
(
かご
)
の中に、くたりとなって、ふんふんと鼻息を荒くするごとに、その
出額
(
おでこ
)
に
蚯蚓
(
みみず
)
のような横筋を
畝
(
うね
)
らせながら、きょろきょろと
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言
(
い
)
はでも
知
(
し
)
るお
絹
(
きぬ
)
は
最早
(
もはや
)
中西屋
(
なかにしや
)
に
居
(
ゐ
)
ないのである、
父母
(
ふぼ
)
の
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
り、
嫁入
(
よめいり
)
の
仕度
(
したく
)
に
取
(
と
)
りかゝつたのである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
御伽草子
(
おとぎぞうし
)
』の「鼠の
嫁入
(
よめいり
)
」などが世に行われて、是を人間の若い妻に、たとえたものとする解釈も普通になったが、そうなると実は説明がしにくいのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
嫁入
(
よめいり
)
の時に持って来た
衣服
(
いしょう
)
道具などはいつしかもうこの無情な夫の
遊蕩
(
ゆうとう
)
の
費
(
ひ
)
となって失われておった。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
まずある家に
嫁入
(
よめいり
)
して後、不幸にして良人に死なれても幸いに財産が自分の手に入ったからというて、安楽に自分の子供を育てながら
後家
(
ごけ
)
を守っていくという婦人は
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
嫁入
(
よめいり
)
の衣裳や何かお前の好みもあろう、
斯
(
こ
)
ういう物が欲しい、
櫛
(
くし
)
簪
(
かんざし
)
は斯う云うのとか、立派なことは入らぬが、
宜
(
よ
)
くお母様と相談して、其の上で先方へも申込むから宜いかえ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
磊落書生も花嫁の如し
都
(
すべ
)
てこんな事ばかりで、私は生れてから
嫁入
(
よめいり
)
をしたことはないが、花嫁が勝手の分らぬ家に住込んで、見ず知らずの人に取巻かれてチヤフヤ云われて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
山野のところへ
嫁入
(
よめいり
)
した時などは、本当に短刀を
懐中
(
ふところ
)
に入れて、あなたに逢いに行ったことさえある。己はそれ程思いつめていたのだ。少しは
不便
(
ふびん
)
に思ってくれてもいいだろう
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大原を嫌いて
嫁入
(
よめいり
)
の事を拒まんとするか、それとも小山の説明に大原の
真価
(
ねうち
)
を悟りて自ら心の進みけるかと兄の中川は妹の心を測り兼ねて重くるしく「ハイ、何だえ」と返事する。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
夫
(
そ
)
れでも
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
言
(
い
)
はれたいか、
太郎
(
たらう
)
の
母
(
はゝ
)
で
候
(
さふらふ
)
と
顏
(
かほ
)
おし
拭
(
ぬぐ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
心
(
こゝろ
)
か、
我身
(
わがみ
)
ながら
我身
(
わがみ
)
の
辛棒
(
しんぼう
)
がわかりませぬ、もう/\もう
私
(
わたし
)
は
良人
(
つま
)
も
子
(
こ
)
も
御座
(
ござ
)
んせぬ
嫁入
(
よめいり
)
せぬ
昔
(
むか
)
しと
思
(
おも
)
へば
夫
(
そ
)
れまで
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
このような美しい多彩な刺繍の和鞍を作るのは、ただこの下野と
常陸
(
ひたち
)
との二ヵ国だけであります。正月の
初荷
(
はつに
)
の時や、
嫁入
(
よめいり
)
の時に新しく
誂
(
あつら
)
えます。少し前までは朱塗
金箔
(
きんぱく
)
の革も用いました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
いよ/\九十八人全部
裸體
(
はだか
)
になつてしまつて、この日の一等は、胸から背へかけて、胴一杯に、
狐
(
きつね
)
の
嫁入
(
よめいり
)
を彫つた遊び人と、背中一面に
大津繪
(
おおつゑ
)
の
藤娘
(
ふぢむすめ
)
を彫つた折助とが爭ふことになりましたが
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
奥方は
嫁入
(
よめいり
)
の時に持つて来た
衣服
(
きもの
)
や
髪飾
(
かみかざ
)
りを
売食
(
うりぐひ
)
して日を送つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
太郎「それぢや、
狐
(
きつね
)
のお
嫁入
(
よめいり
)
の
時
(
とき
)
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
りましたか」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
御幣担
(
ごへいかつ
)
ぎの多い
関西
(
かんさい
)
、
特
(
こと
)
に美しいローマンチックな迷信に富む
京都
(
きょうと
)
地方では、四季に空に
日在
(
あ
)
って雨降る夕立を呼んで、これを狐の
嫁入
(
よめいり
)
と言う
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
ヂュリ そのセント・ピーターの
會堂
(
くわいだう
)
懸
(
か
)
けて、いゝや、ピーターどのをも
誓言
(
ちかひ
)
にかけて、
何
(
なん
)
のそれがめでたからう!
嫁入
(
よめいり
)
はせぬわいの。
何
(
なん
)
といふ
早急
(
さっきふ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
尋
(
たづ
)
ねければ
口惡善
(
くちさが
)
なき下女の
習慣
(
ならひ
)
那
(
あれ
)
こそ近在の
大盡
(
だいじん
)
の
娘御
(
むすめご
)
なるが江戸のさる
大店
(
おほだな
)
へ
嫁入
(
よめいり
)
なされしが
聟樣
(
むこさま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
桃之
(
ももの
)
夭々
(
ようよう
)
、其葉
蓁々
(
しんしん
)
、桃の節句は昔から
婚嫁
(
こんか
)
の季節だ。村の
嫁入
(
よめいり
)
婿取
(
むことり
)
は多く此頃に行われる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
下宿屋
住居
(
ずまい
)
も不自由とて去年
新
(
あらた
)
に家を借り下女を雇いて世帯を任せしがこれも何かに不便多く、国元より妹を呼寄せて女房の出来るまで家事を任せ
好
(
よ
)
き口あらば東京にて
嫁入
(
よめいり
)
させん下心。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
生憎
(
あいにく
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
に
寒
(
さぶ
)
く、
夢
(
ゆめ
)
のやうなる
考
(
かんが
)
へ
又
(
また
)
もやふつと
吹破
(
ふきやぶ
)
られて、ええ
私
(
わたし
)
は
其
(
その
)
やうな
心弱
(
こゝろよわ
)
い
事
(
こと
)
に
引
(
ひ
)
かれてならうか、
最初
(
さいしよ
)
あの
家
(
うち
)
に
嫁入
(
よめいり
)
する
時
(
とき
)
から、
東二郎
(
とうじらう
)
どのを
良人
(
をつと
)
と
定
(
さだ
)
めて
行
(
い
)
つたのでは
無
(
な
)
いものを
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そォれでよォいよい
嫁入
(
よめいり
)
しよとらァくじゃ
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼君
(
かのきみ
)
の
有
(
も
)
たせます
限
(
かぎ
)
りの
物
(
もの
)
がそもじのとなることゆゑ、
嫁入
(
よめいり
)
しやればとて、
其方
(
そなた
)
に
何
(
なん
)
の
損
(
そん
)
も
無
(
な
)
いのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
……
偖
(
さて
)
は今見たのは狐の
嫁入
(
よめいり
)
でなかったろうか?
後
(
あと
)
に
黄
(
き
)
な菜の花が
芬々
(
ぷんぷん
)
と烈しく匂うていた。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
負
(
おひ
)
しと
露知
(
つゆしら
)
ぬお光が
嫁入
(
よめいり
)
の支度の
好惡
(
よしあし
)
父親とも又お金とも相談して
調
(
とゝの
)
へければ
衣類
(
いるゐ
)
諸道具
(
しよだうぐ
)
今は殘らず
揃
(
そろ
)
ひたるに大家の事故先方にては
夥多
(
あまた
)
の支度ある事にて未だ
調
(
とゝの
)
はぬか
婚姻
(
こんいん
)
の日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さへ
持
(
も
)
てりと
聞
(
き
)
くに
娘
(
むすめ
)
の
爲
(
ため
)
にも
我
(
わ
)
が
爲
(
ため
)
にも
行末
(
ゆくすゑ
)
わろき
縁組
(
えんぐみ
)
ならずとより/\の
相談
(
さうだん
)
も
洩
(
も
)
れきく
身
(
み
)
の
腹
(
はら
)
だゝしさ
縱令
(
たとひ
)
身分
(
みぶん
)
は
昔
(
むかし
)
の
通
(
とほ
)
りならずとも
現在
(
げんざい
)
ゆるせし
良人
(
をつと
)
ある
身
(
み
)
に
忌
(
いま
)
はしき
嫁入
(
よめいり
)
沙汰
(
ざた
)
きくも
厭
(
いや
)
なり
表
(
おもて
)
にかざる
仁者顏
(
じんしやがほ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
嫁
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“嫁入”で始まる語句
嫁入仕度
嫁入支度
嫁入前
嫁入婚
嫁入後
嫁入時
嫁入期
嫁入雨
嫁入衣裳