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納
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おさま
ふりがな文庫
“
納
(
おさま
)” の例文
人形の手足を
掙
(
も
)
いでおいたのに
極
(
きわま
)
って、蝶吉の血相の容易でなく、
尋常
(
ただ
)
では
納
(
おさま
)
りそうもない光景を見て、居合すは
恐
(
おそれ
)
と、
立際
(
たちぎわ
)
の
悪体口
(
にくていぐち
)
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その圭さんは、この幕切れには
納
(
おさま
)
りかねるものと見え、それから舞台裏のコック部屋へ入りこんで、コックの
吉公
(
きちこう
)
と無駄口を叩きはじめる。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と云いながら、ぐるりっと
上
(
あ
)
げ
胡坐
(
あぐら
)
を掻きましたが、此の
納
(
おさま
)
りは
何
(
ど
)
う相成りましょうか、次回までお預かりにいたしましょう。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この議論は、結局顔が似るということの形態学まで行かなければ話が
納
(
おさま
)
らない。しかしそういう千古の
謎
(
なぞ
)
にかかわっていることは
止
(
や
)
めて、先へ急ぐことにする。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
抱主の持物になって姉さん気取りで
納
(
おさま
)
ろうとしたのが、無念で我慢がしきれなかったと云うのです。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
高級浪人として(生活に困まらず、立派な家など建てて
納
(
おさま
)
っている)森下雨村君を奮起せしめよ。
わかりきった話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
自分が母の愛というものを意識してから今日にいたるまで、殆ど四十余年、いまだに広島の屋敷では、孫の余一の嫁が
納
(
おさま
)
らなかったり、家事に苦労がたえないでいるらしい。
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
疑問は叔父の一句でたちまち
納
(
おさま
)
りがついたが、暑さの方はなかなか去らないので誰もすぐは寝つかれなかった。吾一は若いだけに、
明日
(
あした
)
の
魚捕
(
さかなとり
)
の事を叔父に向ってしきりに質問した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何事
(
なにごと
)
も
無
(
な
)
く
納
(
おさま
)
りのつき、
今日
(
けふ
)
は
一人
(
ひとり
)
でお
厠
(
ちようず
)
にも
行
(
ゆ
)
かれるやうに
成
(
なり
)
ました、
右
(
みぎ
)
の
譯故
(
わけゆゑ
)
の
手間
(
てま
)
どり、
昨日
(
きのふ
)
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
まする
時
(
とき
)
も、
氣
(
き
)
がわく/\して
何事
(
なにごと
)
も
思
(
おも
)
はれず、
後
(
あと
)
にて
思
(
おも
)
へば
締
(
しま
)
りも
付
(
つ
)
けず
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
噎
(
むせ
)
ぶのを
堪
(
こら
)
え、涙を飲み落す秀江のけはい——案外、早くそれが
納
(
おさま
)
って、船端で水を
掬
(
すく
)
う音がした。復一はわざと瞳の焦点を外しながらちょっと女の様子を覗きすぐにまた眼を閉じた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
俺
(
おいら
)
をやっといて、おめえは、
新井宿
(
あらいじゅく
)
の奴の家で、
納
(
おさま
)
ろうと云うのかい」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
我
(
わ
)
が日本という国は山・谷・川・平野・湖沼・港湾・長い海岸線等が、狭い日本国というところに
納
(
おさま
)
っておって、しかも暑からず寒からず、つまり酷暑酷寒というような自然の虐待を受けることなく
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
なんのッて、ひらひらと来る
紅色
(
べにいろ
)
の葉から、すぐに吸いつけるように
煙草
(
たばこ
)
を吹かした。が、何分にも鋳掛屋じゃあ
納
(
おさま
)
りませんな。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ゼルコフ「なんだって。そんなぼんくらな考えで大統領でございと
納
(
おさま
)
っていられてたまるものか。おれはこれを委員会へ警告しておくからな」
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ねえパパ、
此
(
こ
)
のO家の為めに我々は新鮮な空気が吸える、と思えば気も
納
(
おさま
)
るね。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何
(
ど
)
うで
我
(
お
)
れは
此樣
(
このやう
)
な
活地
(
いくぢ
)
なし、
馬車
(
ばしや
)
は
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ
事
(
こと
)
、
此後
(
このご
)
辻車
(
つぢぐるま
)
ひくやら
知
(
し
)
れた
物
(
もの
)
で
無
(
な
)
ければ、
今
(
いま
)
のうち
身
(
み
)
の
納
(
おさま
)
りを
考
(
かんが
)
へて、
利口
(
りこう
)
で
物
(
もの
)
の
出來
(
でき
)
る、
學者
(
がくしや
)
で
好男子
(
いろをとこ
)
で、
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
いに
乘
(
のり
)
かへるが
隨
(
ずゐ
)
一であらう
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が——東儀のこじれた気もちはまだ
納
(
おさま
)
らない。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何でも怨む者さえ無ければ物ごとは円く
納
(
おさま
)
る。
検屍
(
けんし
)
にはあのナンノをな、それから、ナニはナニして、ナンノを、ナンノを。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ビールを詰め込むべきは詰めこんで、一番出口に近いところにすっかり
納
(
おさま
)
ったビールの大箱が現われるのだった。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
秋成は、尽きぬ思ひ出にすつかり
焦立
(
いらだ
)
たさせられ、
納
(
おさま
)
りかねる気持に引かへ、夜半過ぎて
長閑
(
のどか
)
な
淀
(
よど
)
みさへ示して来たあたりの闇の静けさに、舌打ちした。==なにが、この俺がこどもに帰つた
翁
(
おきな
)
か。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
そちこち
午
(
ひる
)
すぎだ、帰れば都合で
膳
(
ぜん
)
も出そうし、かたがた面倒だ。一曲か二曲か、太神楽の
納
(
おさま
)
るまで、とまた寺の方へ。——
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
指環
(
ゆびわ
)
も
簪
(
かんざし
)
も
拵
(
こしら
)
えるのじゃ。)と親仁様が言ったから
錺職
(
かざりや
)
さんですわね。その方のお骨が
納
(
おさま
)
っているんですってね。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
入
(
い
)
れると、まだ
天狗
(
てんぐ
)
のいきの、ほとぼりが消えなかつたと見えて、
鉄砲笊
(
てっぽうざる
)
へ、腰からすつぽりと
納
(
おさま
)
つたのである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
納
常用漢字
小6
部首:⽷
10画
“納”を含む語句
維納
結納
嘉納
受納
納所
納涼
出納
維也納
納受
納屋
納豆
見納
中納言
帰納的
納経
御結納
納物
取納
納戸
納得
...