“掻餅”の読み方と例文
読み方割合
かきもち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その書生さんの時も、本宅の旦那様、大喜びで、御酒はあがらぬか。晩の物だけ重詰じゅうづめにして、夜さりまた掻餅かきもちでも焼いてお茶受けに、お茶も土瓶で持ってけ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
堺屋のおふくろが、僕に掻餅かきもちを焼いてれていたんです。その側には僕の生みの母親もいました。堺屋のおふくろは、焼いた掻餅を普通に砂糖醤油さとうじょうゆにつけて僕に与えました。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
自分の好きな塩煎餅しおせんべい掻餅かきもちでもあろうもんなら、もこののものはかまどの下の灰までがおれの物だというような顔をして、平気で菓子鉢に顔を突込んではボリボリと喰べ初める。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)