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希
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まれ
ふりがな文庫
“
希
(
まれ
)” の例文
東は富士河
漲
(
みなぎ
)
りて
流沙
(
りうさ
)
の浪に異ならず。かかる所なれば
訪
(
おとな
)
ふ人も
希
(
まれ
)
なるに、
加樣
(
かやう
)
に
度々
(
たび/\
)
音信
(
おんしん
)
せさせ給ふ事、不思議の中の不思議也。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
酒は余り飲むな? はあ、今日のやうに酔うた事は
希
(
まれ
)
です。
忝
(
かたじけな
)
い、折角の御忠告ぢやから今後は
宜
(
よろし
)
い、気を着くるです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
里人のかたるを聞けば、汝
一旦
(
ひとたび
)
の
愛慾
(
あいよく
)
に
心神
(
こころ
)
みだれしより、
忽
(
たちま
)
ち鬼畜に
一二五
堕罪
(
だざい
)
したるは、あさましとも
哀
(
かな
)
しとも、
一二六
ためしさへ
希
(
まれ
)
なる
悪因
(
あくいん
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
捕われた時九歳ほどらしく三年して死んだ、
毎
(
いつ
)
も
四這
(
よつばい
)
だが
希
(
まれ
)
に直立し言語せず餓える時は口に指した。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
山家
(
やまが
)
の
者
(
もの
)
には
肖合
(
にあ
)
はぬ、
都
(
みやこ
)
にも
希
(
まれ
)
な
器量
(
きりやう
)
はいふに
及
(
およ
)
ばぬが
弱々
(
よわ/\
)
しさうな
風采
(
ふう
)
ぢや、
背
(
せなか
)
を
流
(
なが
)
す
内
(
うち
)
にもはツ/\と
内証
(
ないしよう
)
で
呼吸
(
いき
)
がはづむから、
最
(
も
)
う
断
(
ことは
)
らう/\と
思
(
おも
)
ひながら、
例
(
れい
)
の
恍惚
(
うつとり
)
で
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
始終蒼い顔ばかりしている病身な主婦は、暖かそうな日には、明い裏二階の部屋へ来て、
希
(
まれ
)
には針仕事などを取出していることもあったが、大抵は薄暗い自分の部屋に
閉籠
(
とじこも
)
っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
孔子
(
こうし
)
曰
(
いは
)
く、
(二〇)
『
伯夷
(
はくい
)
・
叔齊
(
しゆくせい
)
は
舊惡
(
きうあく
)
を
念
(
おも
)
はず、
怨
(
うら
)
み
是
(
ここ
)
を
用
(
もつ
)
て
希
(
まれ
)
なり。
仁
(
じん
)
を
求
(
もと
)
めて
仁
(
じん
)
を
得
(
え
)
たり。
又
(
また
)
何
(
なに
)
をか
怨
(
うら
)
みん』と。
余
(
よ
)
、
(二一)
伯夷
(
はくい
)
の
意
(
い
)
を
悲
(
かな
)
しむ、
(二二)
軼詩
(
いつし
)
を
睹
(
み
)
るに
異
(
あや
)
しむ
可
(
べ
)
し。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
梅は世に
希
(
まれ
)
なる美人であつた。
幼
(
いとけな
)
くして加賀中納言
斉泰
(
なりやす
)
の奥に仕へたが程なく
黜
(
しりぞ
)
けられた。
某
(
それがし
)
と私通したからである。梅は暫くお玉が池の柏軒の許に潜んでゐて、此に至つて養玄に嫁した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
錯乱雑駁なる今日の政界において誤謬に陥らざることほとんど
希
(
まれ
)
なり。
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
高家
(
こうけ
)
といわるるも、みな
干戈
(
かんか
)
を枕とし
甲冑
(
かっちゅう
)
を寝巻にし、寒夜も山野に
起臥
(
きが
)
し暑日も道路に奔走し、
酒肴
(
しゅこう
)
に飽くこともなく朝夕雑飯に糠汁にてくらし、一生身体を労苦し、はては畳の上の死
希
(
まれ
)
なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
上州、信濃、越後、丁度三国の国境のあたりに客の
希
(
まれ
)
な温泉がある。
山の貴婦人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
伯夷叔斉
(
はくいしゅくせい
)
は旧悪を
念
(
おも
)
わず、
怨
(
うらみ
)
是
(
これ
)
を用いて
希
(
まれ
)
なり。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あはれ
一度
(
ひとたび
)
はこの紳士と組みて、世に
愛
(
めで
)
たき宝石に
咫尺
(
しせき
)
するの栄を得ばや、と彼等の
心々
(
こころごころ
)
に
冀
(
こひねが
)
はざるは
希
(
まれ
)
なりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いにしへより
五
此の毒にあたる人、
幾許
(
いくばく
)
といふ事をしらず。死して
六
蟒
(
みづち
)
となり、或は
七
霹靂
(
はたたがみ
)
を
震
(
ふる
)
うて
怨
(
うらみ
)
を
報
(
むく
)
ふ
類
(
たぐひ
)
は、其の肉を
八
醢
(
ししびし(ほ)
)
にするとも飽くべからず。さるためしは
希
(
まれ
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
山家
(
やまが
)
の者には
肖合
(
にあ
)
わぬ、都にも
希
(
まれ
)
な器量はいうに
及
(
およ
)
ばぬが弱々しそうな
風采
(
ふう
)
じゃ、背中を流す
中
(
うち
)
にもはッはッと
内証
(
ないしょ
)
で
呼吸
(
いき
)
がはずむから、もう断ろう断ろうと思いながら、例の
恍惚
(
うっとり
)
で
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
アラブ人馬掛けて誓う事
希
(
まれ
)
だが、もし馬掛けて誓えば命を亡うまでも約を
違
(
たが
)
えず。予ベダイ輩を護身卒に
傭
(
やと
)
うに、ただ牝馬を
援
(
ひ
)
いて誓わしめたが、いかな場合にも誠を尽し、親切に勤めた。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼
(
か
)
の古戦場を
過
(
よぎ
)
つて、
矢叫
(
やさけび
)
の音を風に聞き、
浅茅
(
あさじ
)
が
原
(
はら
)
の月影に、
古
(
いにしえ
)
の都を忍ぶたぐひの、心ある人は、此の
媼
(
おうな
)
が六十年の昔を
推
(
すい
)
して、世にも
希
(
まれ
)
なる、
容色
(
みめ
)
よき
上﨟
(
じょうろう
)
としても
差支
(
さしつかえ
)
はないと思ふ
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは
希
(
まれ
)
に深山にある大きな獣で、目鼻手足なく口ばかりありて人を食う。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
これ今の欧米に
希
(
まれ
)
に見るところで、わが神社の短処を補うて余りあり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
希
常用漢字
小4
部首:⼱
7画
“希”を含む語句
希臘
希望
希有
希伯来
希臘風
希臘人
希代
希臘語
希臘型
希求
奉希
古希臘
韋提希夫人
希知
希望者
乃木希典
希世
希伯來人
希臘悲劇
希臘思想
...