“押鎮”の読み方と例文
旧字:押鎭
読み方割合
おししず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
狭心症にかかっているせいか、一寸ちょっとした好奇心でも胸がドキドキして来そうなので、便々たる夏ぶとりの腹を撫でまわして押鎮おししずめた。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
急立せきたつ胸を押鎮おししずめ、急ぎ宅へ帰って宅の者を見届につかわしましたる所、以前にいや増す友之助の大難、最早棄置すておき難しと心得、早速蟠龍軒の屋敷へ駈付け、只管ひたすら詫入り
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
看護婦がベッドへ飛んで行って、もがく病人を押鎮おししずめようとしたが、瀕死ひんしの老探偵は、まるで気違いの様に身もだえをして、苦しさに耐えぬものの如く、わめき続けるのだ。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)