目附めつき)” の例文
現に今隣にすわっている二人を見る、マリイの目付も、さっきの唱歌会員を見た目附めつきと、余り違ってはいないようだと思うのである。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
南の気の毒なものを見るやうな目附めつきが鏡子には寂しく思はれるのであつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
追々おひ/\馴染なじみ度重たびかさなると、へい、朝顔あさがほはな打沈ぶちしづめたやうに、ゑり咽喉のどいろわかつて、くちひやうはらぬけれど、目附めつきなりひたひつきなり、押魂消おつたまげ別嬪べつぴんが、過般中いつかぢゆうから、おな時分じぶんに、わしかほはせると
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
堀は不安らしい目附めつきをして、二つの文書ぶんしよをあちこち見競みくらべた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
夢見るような目附めつきをなさったのを、いまでも忘れずにいます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
あの色気のある奴が互に見交す目附めつきだ。あれがして貰いたい。
「なぜお前そんな心配げな目附めつきをしているのだい。なんでもないじゃないか。丈夫な時だって、夢におそわれて飛び起きる事はあるからなあ。」
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
熱心らしい、狡猾そうな目附めつきをして、2035
楊貴妃やうきひつた目附めつきに変つてく。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
その女の目附めつき如何いかにも心配げなので、学士はわざと微笑ほほえんだ。「あした早く行って、君方きみがたと一しょに朝食あさしょくを食べよう。」
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
厭な目附めつきをして、厭な事を言う人ね。
光をにらみ返すやうな目附めつきをして
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)