“見競”の読み方と例文
読み方割合
みくら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婆あさんは膳と土瓶とを両手に持って、二人の顔を見競みくらべて、「まあ、大相たいそうしずかでございますね」と云って、勝手へ行った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
おっこちたとわるる男、すなわちこれなる源次郎のせめてそれだけでもして頂きたい、目金を乗せた鼻の形と、くだんの下駄とかわがわ見競みくらべてせない顔附。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで早速自分の所有のを出して見競みくらべて視ると、兄弟か孿生ふたごか、いずれをいずれとも言いかねるほど同じものであった。自分ののふたを丹泉の鼎に合せて見ると、しっくりとがっする。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)