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眼色
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めつき
ふりがな文庫
“
眼色
(
めつき
)” の例文
そして恰も、わしを励ますやうに、最も神聖な約束に満ちた
眼色
(
めつき
)
をして見せるのである。彼女の眼が詩なら彼女の一瞥は正に唄であつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
件
(
くだん
)
の婦人は落着払い、その
冷
(
ひやや
)
かなる
眼色
(
めつき
)
にて、ずらりと
四辺
(
あたり
)
を見廻しつ、「さっさとしないか。おい、お天道様は
性急
(
せっかち
)
だっさ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母親は
息子
(
むすこ
)
のこのごろどうかしているのをそれとなく感じて時々心を読もうとするような
眼色
(
めつき
)
をして、ジッと清三の顔を見つめることがある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ミハイロの罪の無い笑声や、人の好ささうな
眼色
(
めつき
)
が皆の気に入つて、
弄
(
なぶ
)
らずに真面目に
事情
(
わけ
)
を聞出したから、仕事をさせて貰ひたいのだといふと、そんなら
己達
(
おれたち
)
の跡に
随
(
つ
)
いて来なと云ふ。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
追付くと、又逃げて又其
眼色
(
めつき
)
をする。こうして
巫山戯
(
ふざけ
)
ながら一緒に帰る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
何事
(
なにごと
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
なり、「おい、ちよいと
煙草屋
(
たばこや
)
の
娘
(
むすめ
)
はアノ
眼色
(
めつき
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
ぢやあないか。」と
謂
(
い
)
ふは
別
(
べつ
)
に
眼
(
め
)
が
三
(
み
)
ツあるといふ
意味
(
いみ
)
にあらず
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
町の若い娘たちの
眼色
(
めつき
)
をも読み得るようにもなった。恋の味もいつか覚えた。あるデザイアに促されて、人知れず汚ない業をすることもあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
拠
(
よん
)
どころなくほたほたしながら頭を
撫
(
な
)
でて遣るだけで
不承
(
ふしょう
)
して、又歩き出す。と、ポチも忽ち身を
曲
(
くね
)
らせて、横飛にヒョイと飛んで駈出すかと思うと、立止って、私の
面
(
かお
)
を看て
滑稽
(
おどけ
)
た
眼色
(
めつき
)
をする。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
やさしい
眼色
(
めつき
)
と、にこにこした円満な顔には、初めて会った時から、人のよさそうなという感を清三の胸に起こさせた。この人には
隔
(
へだ
)
てをおかずに話ができるという気もした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
と答うれば、戸を
排
(
ひら
)
きて、医師とともに、見も知らぬ男
入
(
い
)
り来れり。この男は、
扮装
(
みなり
)
、風俗、
田舎漢
(
いなかもの
)
と見えたるが、
日向
(
ひなた
)
眩
(
まば
)
ゆき
眼色
(
めつき
)
にて、上眼づかいにきょろつく様、
不良
(
よから
)
ぬ
輩
(
やから
)
と思われたり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
全く
眼色
(
めつき
)
のような気象で、勝気で、鋭くて、
能
(
よ
)
く何かに気の附く、口も八丁手も八丁という、一口に言えば
男勝
(
おとこまさ
)
り……まあ、そういった
質
(
たち
)
の人だったそうな、——私は子供の事で一向夢中だったが。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
薄痘痕
(
うすあばた
)
のある、背の高い男で、風采は
何所
(
どこ
)
となく
田舎臭
(
ゐなかくさ
)
いところがあるが、其の柔和な
眼色
(
めつき
)
の
中
(
うち
)
には
何所
(
どこ
)
となく人を引付ける不思議の力が
籠
(
こも
)
つて居て、一見して、僕は少なからず気に入つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
つけられた方は、呆れるより、いきなり
撲
(
なぐ
)
るべき蹴倒し方だったが、
傍
(
かたわら
)
に、ほんのりしている
丸髷
(
まげ
)
ゆえか、主人の錆びた
鋲
(
びょう
)
のような
眼色
(
めつき
)
に
恐怖
(
おそれ
)
をなしたか、気の毒な学生は、
端銭
(
はした
)
を
衣兜
(
かくし
)
に
捻込
(
ねじこ
)
んだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“眼色”で始まる語句
眼色凄