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目色
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めつき
ふりがな文庫
“
目色
(
めつき
)” の例文
お島が
太
(
ふ
)
てたような顔をして、そこへ坐ったとき、父親が
硬
(
かた
)
い手に
煙管
(
きせる
)
を取あげながら訊ねた。お島は
曇
(
うる
)
んだ
目色
(
めつき
)
をして、黙っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
髯
(
ひげ
)
の
旦那
(
だんな
)
は、
眉
(
まゆ
)
の
薄
(
うす
)
い、
頬
(
ほゝ
)
の
脹
(
ふく
)
れた、
唇
(
くちびる
)
の
厚
(
あつ
)
い、
目色
(
めつき
)
の
嚴
(
いかつ
)
い
猛者構
(
もさがまへ
)
。
出尻
(
でつちり
)
で、ぶく/\
肥
(
ふと
)
つた四十ばかり。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「どうしたんでしょう、こんな弱い体で……。」といった
目色
(
めつき
)
で、お作もきまり悪そうに、新吉の顔を見上げた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
対手
(
あいて
)
がソレ者と心安だてに
頤杖
(
あごづえ
)
ついて見上げる顔を、あたかもそれ、
少
(
わか
)
い
遊女
(
おいらん
)
の
初会惚
(
しょかいぼれ
)
を洞察するという
目色
(
めつき
)
、
痩
(
や
)
せた頬をふッくりと、
凄
(
すご
)
いが優しらしい笑を含んで
熟
(
じっ
)
と
視
(
なが
)
め
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
風呂
(
ふろ
)
に入ってから、二人はいつかの陰気な居間で休んだのだったが、しばらくすると葉子は
細紐
(
ほそひも
)
をもって彼にのしかかって来たかと思うと、悪ふざけとも思えない
目色
(
めつき
)
をして
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
寄居虫
(
やどかり
)
で釣る
小鰒
(
こふぐ
)
ほどには、こんな伯父さんに
馴染
(
なじみ
)
のない、人馴れぬ里の児は、目を光らすのみ、返事はしないが、
年紀上
(
としうえ
)
なのが、
艪
(
ろ
)
の手を止めつつ、けろりで、合点の
目色
(
めつき
)
をする。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女はまだうっとりした夢にでも浸っているような、どこか暗い
目色
(
めつき
)
をしながら呟いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
とばかり、僧は明の手のかげで、
燈
(
ともしび
)
が暗くなりはしないか、と
危
(
あやぶ
)
んだ
目色
(
めつき
)
である。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『嘘なもんか。實際だよ。』と松公は
獨
(
ひとり
)
で笑つて、『第一
己
(
おれ
)
は金さんに濟まないと云ふ、其も有るからね。が、
孰
(
どつち
)
にしても行く。今夜
必然
(
きつと
)
行く。』と
胡散
(
うさん
)
くさい
目色
(
めつき
)
をして、女を
見下
(
みおろ
)
す。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
心得
(
こゝろえ
)
たか、と
語
(
かた
)
らせ
給
(
たま
)
へば、
羅漢
(
らかん
)
の
末席
(
まつせき
)
に
侍
(
さぶら
)
ひて、
悟顏
(
さとりがほ
)
の
周梨槃特
(
しゆりはんどく
)
、
好
(
この
)
もしげなる
目色
(
めつき
)
にて、わが
佛
(
ほとけ
)
、わが
佛殿
(
ほとけどの
)
と
道人
(
だうじん
)
の
問答
(
もんだふ
)
より、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
衾
(
ふすま
)
の
男女
(
なんによ
)
の
睦言
(
むつごと
)
、もそつとお
説
(
と
)
きなされと
言
(
い
)
ふ。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
目色
(
めつき
)
に
凛
(
りん
)
と位はあるが、眉のかかり
婀娜
(
あだ
)
めいて、くっきり
垢抜
(
あかぬ
)
けのした
顔備
(
かおぞなえ
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
養父はまだ帳場の方を離れずにいたが、おとらは亭主にも
辞
(
ことば
)
もかけず、「はい只今」と、お島に声かけて、茶の間へ来て足を投げ出すと、せいせいするような
目色
(
めつき
)
をして、庭先を眺めていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それでも
寂寞
(
ひっそり
)
、気のせいか
灯
(
あかり
)
も陰気らしく、立ってる土間は暗いから、
嚔
(
くさめ
)
を仕損なったような変な
目色
(
めつき
)
で弥吉は飛込んだ時とは打って変り、ちと
悄気
(
しょげ
)
た形で格子戸を出たが、後を閉めもせず
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新吉は不安らしい
目色
(
めつき
)
で、妻の顔を見込んだ。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お蔦を見向いて
面
(
おもて
)
を撫でると、涼しい瞳で、それ見たかと云う
目色
(
めつき
)
で
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
当人
寝惚
(
ねぼ
)
けている癖に、
他
(
ひと
)
の
目色
(
めつき
)
の
穿鑿
(
せんさく
)
どころか。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「可いわねえ。」と、
可厭
(
いや
)
な
目色
(
めつき
)
。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論