渡金めつき)” の例文
渡金めつききんに通用させ様とするせつない工面より、真鍮を真鍮でとほして、真鍮相当の侮蔑を我慢する方がらくである。と今は考へてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
多くの先輩がきんに見えた。相当の教育を受けたものは、みなきんに見えた。だから自分の渡金めつきつらかつた。早くきんになりたいとあせつて見た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
全く彼れ自身に特有な思索と観察の力によつて、次第々々に渡金めつきを自分で剥がしてたにぎない。代助は此渡金めつきの大半をもつて、親爺おやぢ捺摺なすり付けたものと信じてゐる。其時分じぶん親爺おやぢきんに見えた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)