麓の村から五哩あまり、馬の背で踏み入る森林地帯の山奥——苔むした岩々の間を、隠花植物の影を浮べて、さんさんと流れる谿川のほとりに営まれた伐木工場の丸木小屋の事務所に、その頃私はアメリカ生れのフロラと共に働いてゐました。私達の夫々の父親達の共 …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「蝋人形 第三巻第四号(四月号)」蝋人形社、1932(昭和7)年4月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約9分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約14分(300文字/分) |