“めじり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
眼尻39.3%
25.0%
目尻19.0%
8.3%
外眦3.6%
外眥1.2%
後眥1.2%
眼眥1.2%
眼眦1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この伯母の主人はいつもにこにこした眼尻めじりで私を愛してくれた。私は祖父の家の後を継いでいる養子よりも、この魚屋の主人の方が好きだった。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
参木は秋蘭の切れ上っためじりから、遠く隔絶した激情を感じると、同時にますます冷たさの極北へ移動していく自分を感じた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼の妹は妹と云っても、彼よりもずっと大人おとなじみていた。のみならず切れの長い目尻めじりのほかはほとんど彼に似ていなかった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
茜さんの視線が、キャラコさんの顔のうえから動かなくなったと思うと、間もなく、大きな眼の中から押し出すように涙があふれ出て来てめじりから顳顬こめかみのほうへゆっくりと下ってゆく。
八の顔は右の外眦めじりに大きな引弔ひつつりがあつて頗る醜い。それに彼のこれ迄に経験して来た、暗い、鈍い生活が顔に消されない痕跡こんせきしるしてゐる。併し少しも陰険な処は無い。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
風「それは覚えてゐるとも。あれの峭然ぴん外眥めじりあがつた所が目標めじるしさ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
平田は上をき眼をねむり、後眥めじりからは涙が頬へすじき、下唇したくちびるは噛まれ、上唇はふるえて、帯を引くだけの勇気もないのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
ふと見ると彼の真ん丸に視張みはって僕の顔をばたきもしないで見詰めている眼眥めじりから、たちまちコロコロと球のような涙がまろび出て、と突然彼はワッと声を挙げて僕を抱き締めた。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
半七老人は表情に富んでいる眼眦めじりを少ししかめて、その当時のさまを眼に浮かべるように一と息ついた。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)