“眼尻:めじり” の例文
“眼尻:めじり”を含む作品の著者(上位)作品数
芥川竜之介3
幸田露伴3
林不忘2
夏目漱石2
太宰治2
“眼尻:めじり”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究4.5%
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
文学 > ドイツ文学 > 小説 物語2.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
しばらくぶりでこの貧しい家にも笑が帰って来た。病人はまだ眼尻めじりに涙のたまったままの顔で、唇にみを浮かべていた。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
見る眼もむべき雨後の山の色をとどめてみどりにおいひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻めじりキリリと上り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
深いひだのある額、眼尻めじりしわ、それから、伏せたまぶた……歩きながら眠っている恰好かっこうだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
かほいろ淺黒あさぐろい、ひだり眼尻めじり黒子ほくろのある、ちひさい瓜實顏うりざねがほでございます。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かなり大きな眼が、笑うとかえって眼尻めじりり上って、そうして針のように細くなって、歯がまっしろで、とても涼しく感ぜられる。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
左の眼尻めじり黒子ほくろがあったが、——そんな事さえくらべて見ても、やはり確かに男だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
眼尻めじりをなで、上唇うわくちびるをこすり、顎のしわをかくきれいな手も、はっきりと見えた。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
眼尻めじりに集まる細い意気地いくじのないしわ、小鼻のあたりに現われる過度の反抗的な表情、
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
顔は色の浅黒い、左の眼尻めじり黒子ほくろのある、小さい瓜実顔うりざねがおでございます。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いやどうもとんだ御手数ごてかずで」と主人は眼尻めじりしわを寄せながら礼を述べた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
七が眼尻めじりあがらぬうち温直すなおになされた方が御為おためかと存じます、それともあなたは珠運とかいうやつに頼まれて口をきくばかりじゃ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
目鼻立めはなだち尋常じんじょうひげはなく、どちらかといえば面長おもながで、眼尻めじりった、きりっとした容貌かおだちひとでした。
綺羅子は綺羅子で、眼尻めじりに皺が寄るほど強く男の頬ッぺたへ額をあてている。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
見ると迷亭君の両眼から涙のようなものが一二滴眼尻めじりから頬へ流れ出した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蘿月らげつは色の白い眼のぱつちりした面長おもなが長吉ちやうきちと、円顔まるがほ口元くちもと愛嬌あいきやうのある眼尻めじりあがつたおいととの
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この伯母の主人はいつもにこにこした眼尻めじりで私を愛してくれた。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その顔つきで彼は、クリストフの言うことに残らず耳を傾け、その唇の動きを見守みまもり、その一語一語に、面白がってる同感的な注意を示し、ひたい顳顬こめかみ眼尻めじり
見る陰もなくせ衰えて、眼が落ちくぼんで……が、その大きな眼がほほえむと、面長おもなが眼尻めじりに優しそうなしわたたえて、まゆだけは濃く張っている。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
「ふんそうか」忠相ただすけが笑うと、切れ長の眼尻めじりに、皺が寄るのだ。さざなみのような皺だ。しぼの大きなちりめん皺だ。忠相は、そのちりめん皺を寄せて、庭のほうへ膝を向けた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一文字なりの、かなり大きな唇と、その尻さがりの穏やかな眼で微笑するくらいであるが、眼尻めじりに皺のよる眼のなごやかな色と、唇のあいだからみえるまっ白な歯とは、ひどく人をひきつける。
切れの長い眼尻めじりに、燭台の灯がものすごく躍る。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ウロンスキーは成る程子供好きらしい、柔和な、何となく気の弱そうなところのあるさびしい眼元に微笑を含んで、眼尻めじり小皺こじわを寄せながら、自分がうわさされているのを黙って聞いていた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「いや、そのまま、居て下さい。」と、ウラスマルは掌と掌をこすり合せながら、右方の眼尻めじりへだけ小皺こじわを寄せて、私に納得させ、それから次に、英語でもつて、外の客人へ、カムインと呼びかけた。
アリア人の孤独 (新字旧仮名) / 松永延造(著)
勝太郎にくらべて何から何まで見劣りして色は白いが眼尻めじりは垂れ下り、くちびる厚く真赤で猪八戒ちょはっかいに似ているくせになかなかのおしゃれで、額の面皰にきびを気にして毎朝ひそかに軽石でこすり
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼女の顔も蒼白そうはくになり眼尻めじりがつりあがるようにみえた、「自分はこそこそ貯金なんかしていたくせに、親のあたしにさえ隠して、自分だけは貯金なんかしていたじゃないか、おまえには親きょうだいより、貯金のほうが大事なんだろう」
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一体にがばしりて眼尻めじりにたるみ無く、一の字口の少しおおきなるもきっとしまりたるにかえって男らしく、娘にはいかがなれど浮世うきよ鹹味からみめて来た女にはかるべきところある肌合はだあいなリ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)