“まぶた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マブタ
語句割合
62.9%
眼瞼18.6%
7.4%
目蓋4.7%
眼蓋3.5%
目瞼0.6%
0.6%
0.4%
目眶0.2%
0.2%
(他:5)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もたがまちの角の花壺はなつぼのねむり草が、しょうことなしに、葉のまぶたさきの方から合せかけて来た。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
青年の赤いネクタイが、その睡眠不足らしいれぼったいまぶたや、かさかさに乾いた黄色っぽい顔面とが不釣合に見えた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いつも微笑を浮かべていたが、睫毛まつげの隠れてる赤い眼瞼まぶたの下の眼は、深く落ちくぼんできりのように鋭かった。
敗残者のあおざめた顔を、眼の上にたれ下がって一方はほとんどふさがってる太い眼瞼まぶたを、気の毒そうにうちながめた。
わたしは棉入わたいれを著て丸一日火のそばにいて、午後からたった一人の客ぐらいではまぶたがだらりとせざるを得ない。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
我はこのかちいろの顏、半ば開けるまぶた、格子の外に洩れ出でゝ風に亂るゝ銀髮を凝視して、我脈搏の忽ち亢進するを覺えき。
私は、眼に色ガラスのようなものでもかかったのかと思い、それをとりはずそうとして、なんどもなんども目蓋まぶたをつまんだ。
玩具 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ふと、私は、目蓋まぶたの熱いのを意識した。こんなに陰で私を待っていた人もあったのだ。生きていて、よかった、と思った。
新樹の言葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
眼千両と言われた眼は眼蓋まぶたれて赤くなり、紅粉おしろいはあわれ涙に洗い去られて、一時間前の吉里とは見えぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
今度は好い具合に、眼蓋まぶたのあたりに気をつかわないで済むように覚えて、しばらくするうちに、うとうととした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
プラットフォームで、真黒まっくろに、うようよと多人数に取巻かれた中に、すっくと立って、山が彩る、目瞼まぶたの紅梅。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言う。紳士を顧みた美しいひとまつげが動いて、目瞼まぶたきっ引緊ひきしまった。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はやうやくほつとした心もちになつて、巻煙草に火をつけながら、始めてものうまぶたをあげて、前の席に腰を下してゐた小娘の顔を一瞥いちべつした。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私はようやくほっとした心もちになって、巻煙草まきたばこに火をつけながら、始めてものうまぶたをあげて、前の席に腰を下していた小娘の顔を一べつした。
蜜柑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう思うと寝苦しい、何にも見まい、と目をふさぐ、と塞ぐ後から、まぶたがぱちぱちと音がしそうに開いてしまうのは、心がえて寝られぬのである。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まぶたから唇、みぞおちの斑點はんてんを見て、平次は一ぺんに斷定を下します。
されど氣疲れ力衰へたればにや目眶まぶたおのづから合ひ、いつとは知らず深き眠に入りて、終日復た覺むることなかりき。
項羽は両のまぶたを伏せて、沈黙の底に沈んだ。
悲しき項羽 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
耳足紅色、眼眶まぶたまた赤きもの、すなわち金玉の精なり。
佐渡屋と懇意の仲らしく、口小言などを言って、血潮の中のお絹の死骸に近づきましたが、傷口と眼睫まぶたを見ただけで、
墨で描いたらしい濃い眉と、紅を眼縁まぶたにぼかしたらしい美しい眼とを絶えず働かせながら、演技中にも多数の見物にむかって頻りに卑しいこびを売っている。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
然れどもかつて决する事ありて、如何なる塲合にも耐忍すべきとするを以て、強て一時間ばかりにして眼胞まぶたは腫れて、且つ諸所に出血する事あり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事一時ひとときばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に眼胞まぶたは腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹しゅちょう結痂けっかとにてあだか頑癬かさの如し。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
彼はもうそんな風にして自分の心を見詰めるに堪えられなかった。で、夜はまだ早いが、蒲団を敷いて一人でごろりと横になった。が、どうしても瞼眼まぶたが合わないで、とうとうまんじりともせずに一夜を明した。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)