“まぶた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マブタ
語句割合
63.6%
眼瞼18.4%
6.9%
目蓋4.7%
眼蓋3.5%
目瞼0.5%
0.5%
0.4%
眼胞0.2%
目眶0.2%
0.2%
眼眶0.2%
眼睫0.2%
眼縁0.2%
瞼眼0.2%
蘭瞼0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が他人の顔を良く見ようとする時は、顔を心持仰向けた上、人差指と親指とでたるんだまぶたをつまみ上げ、目の前を塞ぐ壁を取除かねばならぬ。
南島譚:03 雞 (新字新仮名) / 中島敦(著)
私は大の字なり凝然じっとしたまま、まぶたを一パイに見開いた。そうして眼のたまだけをグルリグルリと上下左右に廻転さしてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
医者がマリユスの顔をぬぐって、なお閉じたままの眼瞼まぶたに軽く指先をさわった時、その客間の奥のとびらが開いて、青ざめた長い顔が現われた。
眼を細眼に開けてはいるが、何かまぶしいように眼瞼まぶたを震わせ、ひとみの焦点は座敷を抜けてはるか池か彼方の水先に放っている。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
すると両方の鼻の孔の中がむずむずかゆくなって、物がいて出て往くようであったが、しばらくして帰ってきて、また鼻の孔からまぶたの中へ入って話しだした。
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
われ眼を閉ぢ耳をおほひ、心に聖母を念じて、又まぶたを開けば、怖るべき夫人の身は踉蹌よろめきてしりへたふれんとす。
母親ははたの話を聞きながら時々針を持ったまま前へ突っ伏さるようになっては、また重い目蓋まぶたを開いて、機械的に手を動かした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼女の目蓋まぶたがそっと上がって、またもやその明るい眼がわたしの前に優しくかがやき出したかと思うと、またしても彼女はにっとあざけるように笑った。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
今度こんど具合ぐあひに、眼蓋まぶたのあたりにつかはないでやうおぼえて、少時しばらくするうちに、うと/\とした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
カキの貝殻のように、段々のついた、たるんだ眼蓋まぶたから、弱々しい濁った視線をストオヴの上にボンヤリ投げていた中年を過ぎた漁夫がつばをはいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
あまりの不状ぶざまに、むすめはうが、やさしかほをぽつと目瞼まぶたいろめ、ひざまでいて友禪いうぜんに、ふくらはぎゆきはせて、紅絹もみかげながれらしてつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしやうやくほつとしたこころもちになつて、卷煙草まきたばこをつけながら、はじめものうまぶたをあげて、まへせきこしおろしてゐた小娘こむすめかほを一べつした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まぶたから唇、みぞおちの斑點はんてんを見て、平次は一ぺんに斷定を下します。
そう思うと寝苦しい、何にも見まい、と目をふさぐ、と塞ぐ後から、まぶたがぱちぱちと音がしそうに開いてしまうのは、心がえて寝られぬのである。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事一時ひとときばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に眼胞まぶたは腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹しゅちょう結痂けっかとにてあだか頑癬かさの如し。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
然れどもかつて决する事ありて、如何なる塲合にも耐忍すべきとするを以て、強て一時間ばかりにして眼胞まぶたは腫れて、且つ諸所に出血する事あり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
されど氣疲れ力衰へたればにや目眶まぶたおのづから合ひ、いつとは知らず深き眠に入りて、終日復た覺むることなかりき。
項羽は両のまぶたを伏せて、沈黙の底に沈んだ。
悲しき項羽 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
耳足紅色、眼眶まぶたまた赤きもの、すなわち金玉の精なり。
佐渡屋と懇意の仲らしく、口小言などを言って、血潮の中のお絹の死骸に近づきましたが、傷口と眼睫まぶたを見ただけで、
墨で描いたらしい濃い眉と、紅を眼縁まぶたにぼかしたらしい美しい眼とを絶えず働かせながら、演技中にも多数の見物にむかって頻りに卑しいこびを売っている。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼はもうそんな風にして自分の心を見詰めるに堪えられなかった。で、夜はまだ早いが、蒲団を敷いて一人でごろりと横になった。が、どうしても瞼眼まぶたが合わないで、とうとうまんじりともせずに一夜を明した。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
なおかつ如海は加えるものを与えず、女の蘭瞼まぶたをむごたらしく上から見すえる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)