“まぶた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マブタ
語句割合
瞼63.2%
眼瞼19.4%
眶6.4%
目蓋4.4%
眼蓋3.4%
睚0.8%
目瞼0.5%
睫0.5%
眼胞0.2%
目眶0.2%
眦0.2%
眼眶0.2%
眼睫0.2%
眼縁0.2%
瞼眼0.2%
蘭瞼0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田部はきんの本当の年齢を知らなかった。アパート住いの田部は、二十五歳になったばかりの細君のそそけた疲れた姿を瞼(まぶた)に浮べる。
晩菊 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
眼瞼(まぶた)のほとりを匍ふ幽靈のもの言はぬ狂亂。鉤をめぐる人魚の唄。色彩のとどめを刺すべく古風な顫律(リヅム)はふかい所にめざめてゐる。
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃 (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
わたしは棉入(わたいれ)を著て丸一日火の側(そば)にいて、午後からたった一人の客ぐらいでは眶(まぶた)がだらりとせざるを得ない。するとたちまちどこやらで
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)
幹子(みきこ)の目蓋(まぶた)は、もう開けられないほど重くなって来ました。けれどお月様は、やっぱり窓からお母様や幹子の寝床を照(てら)しました。
夜 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
秀才の女房は眼蓋(まぶた)の上に疵(きず)がある——しばらく逢わないが呉媽はどこへ行ったかしらんて……惜しいことにあいつ少し脚が太過ぎる
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
と畳みかけて仰(おほ)する時我が腸(はらわた)は断(た)ゆる斗(ばかり)に成りて、何の涙ぞ睚(まぶた)に堪へがたく、袖につゝみて音(ね)に泣きしや幾時(いくとき)。
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
プラットフォームで、真黒(まっくろ)に、うようよと多人数に取巻かれた中に、すっくと立って、山が彩る、目瞼(まぶた)の紅梅。黄金(きん)を溶(とか)す炎のごとき妙義山の錦葉(もみじ)に対して、ハッと燃え立つ緋の片袖。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
でも癒(よ)くなる筈(はず)がありませんものと果敢(はか)なげに云(い)ひて打(う)ちまもる睫(まぶた)に涙(なみだ)は溢(あふ)れたり馬鹿(ばか)な事(こと)を
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然れども甞(かつ)て决する事ありて、如何なる塲合にも耐忍すべきとするを以て、強て一時間ばかりにして眼胞(まぶた)は腫れて、且つ諸所に出血する事あり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事一時(ひととき)ばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に眼胞(まぶた)は腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹(しゅちょう)と結痂(けっか)とにて恰(あだか)も頑癬(かさ)の如し。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
されど氣疲れ力衰へたればにや目眶(まぶた)おのづから合ひ、いつとは知らず深き眠に入りて、終日復た覺むることなかりき。
項羽は両の眦(まぶた)を伏せて、沈黙の底に沈んだ。
悲しき項羽 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
これらは流変(りゅうがわ)りで例外に近く、大抵の国民は白鼠を吉祥とする。『嬉遊笑覧』に、『太平広記』にいわく、白鼠身皎玉(こうぎょく)のごとく白し。耳足紅色、眼眶(まぶた)また赤きもの、すなわち金玉の精なり。
佐渡屋と懇意の仲らしく、口小言などを言って、血潮の中のお絹の死骸に近づきましたが、傷口と眼睫(まぶた)を見ただけで
墨で描いたらしい濃い眉と、紅を眼縁(まぶた)にぼかしたらしい美しい眼とを絶えず働かせながら、演技中にも多数の見物にむかって頻りに卑しい媚(こび)を売っている。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、どうしても瞼眼(まぶた)が合わないで、とうとうまんじりともせずに一夜を明した。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
なおかつ如海は加えるものを与えず、女の蘭瞼(まぶた)をむごたらしく上から見すえる。女は眸(め)も気も霞(かす)み、怨めしげに重なっている上の眼を見すえた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)