“睚(まぶた)” の例文
私(わたくし)は漸(やうや)くほつとした心(こころ)もちになつて、卷煙草(まきたばこ)に火(ひ)をつけながら、始(はじめ)て懶(ものう)い睚(まぶた)をあげて、前(まへ)の席(せき)に腰(こし)を下(おろ)してゐた小娘(こむすめ)の顏(かほ)を一瞥(べつ)した。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と畳みかけて仰(おほ)する時我が腸(はらわた)は断(た)ゆる斗(ばかり)に成りて、何の涙ぞ睚(まぶた)に堪へがたく、袖につゝみて音(ね)に泣きしや幾時(いくとき)。
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と辞半(ことばなかば)にそっと睚(まぶた)を推拭(おしぬぐ)えり。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
私は漸(やうや)くほつとした心もちになつて、巻煙草に火をつけながら、始めて懶(ものう)い睚(まぶた)をあげて、前の席に腰を下してゐた小娘の顔を一瞥(いちべつ)した。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私は漸(ようや)くほっとした心もちになって、巻煙草(まきたばこ)に火をつけながら、始めて懶(ものう)い睚(まぶた)をあげて、前の席に腰を下していた小娘の顔を一瞥(べつ)した。
蜜柑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)