“まぶち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真淵41.7%
16.7%
目縁8.3%
8.3%
眼縁5.6%
眞淵2.8%
眼側2.8%
眼眦2.8%
眼眶2.8%
2.8%
間淵2.8%
馬淵2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その三冊というのは、真淵まぶちの評伝と、篤胤あつたねの家庭や生活記録を主として取扱ったものと、ロオデンバッハの『死都ブルウジュ』の訳本とである。
『あゝ。』と細君は襦袢じゆばんの袖口でまぶちを押拭ふやうに見えた。『父さんのことを考へると、働く気もなにも失くなつて了ふ——』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
奥の四畳半で、一ト捫着もんちゃくした後で、叔父の羽織がくしゃくしゃになって隅の方につくねてあった。叔母は赤い目縁まぶちをして、お庄が上って行っても、口も利かなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かるふ……まぶちがふつくりとつて、ことなつた意味いみ笑顏ゑがほせた、と同時どうじいちじるしくまゆせた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
云いながらよく視ると、柳橋の若い芸妓は島田をかたのごとく美しく結いあげていたが、顔には白粉のあともなかった。自体がすこし腫れ眼縁まぶちのまぶたをいよいよ泣き腫らしていた。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
眞淵まぶち弟子でし本居宣長もとをりのりなが、その弟子でし夏目甕麿なつめかめまろ、このひとで、紀州きしゆう醫者いしやいへ養子ようしとなつた加納諸平かのうもろひらといふひとがあります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
おなじようなうたならべてませう。上田秋成うへだあきなりといふひとは、眞淵まぶち孫弟子まごでしあた文學者ぶんがくしやですが、このひとも、うたはその散文さんぶんほど上手じようずではありませんが、かなりつくれたひとであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
往来ゆききの人々は、いずれも鼻汁はなをすすったり、眼側まぶちを紅くしたり、あるいは涙を流したりして、顔色は白ッぽく、ほお、耳、鼻の先だけは赤く成って、身を縮め、頭をかがめて、寒そうに歩いていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
眼眦まぶちに滲むだ黄色の光りは——キーに奏でらるゝ夢幻曲の譜となつて、静かに、さうして快活に、蝶の如く悦びと悲しみとに充ちて踊つて居りました。
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「それで妾になれって?」お富は眼眶まぶちを袖で摩って丸い眼を大きくして言った。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
相手にならねば、はなはだ機嫌がわるい※から、余義なくその手を押さえそうにすれば、たちまちきゃッきゃッと軽忽きょうこつな声を発し、高く笑い、遠方へげ、例のまぶちの裏を返して、ベベベーという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
当屋こちらに、間淵まぶちさんのお妹ごはおいでになるかね。)
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
元六番隊の方で箕浦のが馬淵まぶち〔馬場〕桃太郎、池上のが北川礼平、杉本のが池七助、勝賀瀬のが吉村材吉、山本のが森常馬、森本のが野口喜久馬、北代のが武市助吾、稲田のが江原源之助
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)