“目縁”の読み方と例文
読み方割合
まぶち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が容体をはなすと、甘木先生は僕の舌をながめて、手を握って、胸をたたいて背をでて、目縁まぶちを引っ繰り返して、頭蓋骨ずがいこつをさすって、しばらく考え込んでいる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奥の四畳半で、一ト捫着もんちゃくした後で、叔父の羽織がくしゃくしゃになって隅の方につくねてあった。叔母は赤い目縁まぶちをして、お庄が上って行っても、口も利かなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
今日は麦酒ビールの配給があったと言って、交替に来た兵の中には、目縁まぶちを赤くしているのも居た。私が当直に立っているとき、交替時の直ぐ前だったか、緊急信が一通来た。私がそれを訳した。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)