“視張”の読み方と例文
読み方割合
みは100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう烈しくいわれて、矢野はすこぶる興奮こうふんしてきた。胸が躍り手先がふるえる。目を視張みはってきた。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
さう云つて余は、故意に仰山に眼を視張みはつたが、それ以上滝は何とも云はなかつた。巻煙草の後先きから立ち昇る色の違つた二条の煙りを彼は、いつまでも瞶めてゐた。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ふと見ると彼の真ん丸に視張みはって僕の顔をばたきもしないで見詰めている眼眥めじりから、たちまちコロコロと球のような涙がまろび出て、と突然彼はワッと声を挙げて僕を抱き締めた。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)