“視凝”の読み方と例文
読み方割合
みつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はその人がなにか落し物でも捜しているのだろうかと思いました。首は砂の上を視凝みつめているらしく、前に傾いていたのですから。
Kの昇天:或はKの溺死 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
強度の近視眼で、怪しむやうに人を視凝みつめる癖があつた。縞目も分らないほど古く汚れた背広を着て、脚絆に草鞋をはいてゐた。
禅僧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
往来の人は口をつぐんで自分自分の足の端を視凝みつめながら、専念に歩く事へ気を奪われて居た。正門と赤門と二つの口から大学生がぼろ/\出て来て其の中へ交った。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)