眼睛ひとみ)” の例文
二人ふたりに別れて自分の船室に帰った葉子はほとんど delirium の状態にあった。眼睛ひとみは大きく開いたままで、盲目めくら同様に部屋へやの中の物を見る事をしなかった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
(蒲生の子をるに、眼睛ひとみがまこと美しい。いい若者になるだろう)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ト山口は憤然として眼睛ひとみを据えて、文三の貌を凝視みつめた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
眼睛ひとみの色のやさしやな
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
葉子の眼睛ひとみの奥を網膜まで見とおすほどぎゅっと見すえていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)