“くろめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒瞳47.8%
黒眼13.0%
黒女8.7%
黒目8.7%
烏眼4.3%
烏目4.3%
4.3%
黒眸4.3%
黒色4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妹はいかつく口を噤んで黒瞳くろめを相手の顏へ据ゑたが、すると、馬越はそのわざとらしい浮薄な態度にむかつとして、急に起ち上つて玄關の方へ出た。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
丁度ちやうど鳩の卵のやうに、白眼しろめ黒眼くろめとはつきりしたやつが、香菜シヤンツアイが何かぶちこんだ中に、ふはふは浮いてゐやうと云ふんです。どうです? 悪くはありますまい。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
孫一まごいち一人ひとりだつたの……ひとはね、ちゝなみだみなぎちる黒女くろめ俘囚とりこ一所いつしよに、島々しま/″\目見得めみえ𢌞まはつて、あひだには、日本につぽん日本につぽんで、見世みせものの小屋こやかれたこともあつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、太郎たろうはくるくるした黒目くろめひからしていいました。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひと口に言えば、烏眼くろめが画鋲の頭ほどの大きさしかなくて、白眼がひどく幅をきかせている。西洋ふうに言えば「凶眼ベーゼル・プリッツ」日本ふうに言えば、れいの四白眼。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
カラスキーの小さな烏眼くろめの中で、瞬間、チラと焔のようなものが燃えた。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
薄くあけたきれの長い一重目ひとかわめの瞼の間から烏目くろめがのぞき出し、ちょっと見ると、笑っているよう。
「だツてさ、お前、其様なにおツちや、くろめとろけてお了ひなさるよ。じようだんじやないわね。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
こびを呈したりして泣いたりなどするようなことはなかったけれど、どうかした話のまわり合わせから身の薄命を省みて、ふと涙ぐむ時など、じっと黙っていて、その大きな黒眸くろめがちの眼が
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
勝れたる容姿かたちといふにはあらねど、優形やさがたにて色白く、黒色くろめがちなる眼元愛らしければ、これに美しききぬ着せたらんには、天晴れ一個の、可憐嬢とも見ゆるならむが、身装みなりのあまりに見苦しきと
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)