“草簪”の読み方と例文
読み方割合
くさかんざし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんな中を、李雲の捕手隊は、縄付きの李逵と証人の曹旦那、名主、草簪くさかんざしの女などを引っ立てて、意気揚々、沂嶺きれい越えの向うにある県城の町へひきあげて行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ裏の台所口の外で、ひそひそささやきあっている男女があり、女は草簪くさかんざしの先刻の女であるのはいいが、男の方にハッとしたのだ。今朝、峠で、おっ放してやったあの李鬼にまちがいなしだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その中にじっていたのが、かの草簪くさかんざしを挿した李鬼りき情婦おんなであった。つい昨日、山の居酒屋で見たばかりの顔だし、自分の情夫おとこを殺されたあげく、行李こうりの底の物まで盗まれた恨みも深い。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)