“擬(まね)” の例文
それと等しく蛮民は妙に動物の鳴音を擬(まね)る故、馬の嘶声を擬れば馬を名ざすに事足りたはずだが、それはほんの物真似で言語というに足らぬ。
「此奴(こいつ)、乗打(のりう)ちをしたナ、覚えてろ!」と紅葉は手を振上げて打つ擬(まね)をするとヨタヨタ俥(ぐるま)がいよいよヨタヨタした。
と花火に擬(まね)て、縦横(たてよこ)や十文字。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヴォルテールいわく、『聖書』に神自身を模して人を作ったと言うは大法螺(おおぼら)で、実は人が自身を擬(まね)て神を作ったんじゃと。
それからダニール・ウィルソンいわく、新世界へ欧人移り入りて旧世界でかつて見ざる格別の異物を睹(み)た時、その鳴き声を擬(まね)て名を付けた例多し。
倀鬼が棄児の泣き声など擬(まね)して道行く人を虎のある所へ導き殺し、殊に自分の親や子の所へ虎を案内する、依って虎に食われた者の家には強勢な符を置いてこれを防ぎ
上杉景勝平素笑わなんだが猴が大名の擬(まね)して烏帽子(えぼし)を戴(いただ)くを見て吹き出したといい、加藤清正は猴が『論語』を註するつもりで塗汚すを見、汝も聖賢を慕うかと笑うた由。
すこぶる竜に似たものが大英博物館にあったので、予これは歌川派画工が描いた竜を擬(まね)たのだろと言うと、サー・チャーレス・リードが、聢(しっか)り手に執って見よというから、暫(しばら)く審査すると