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眤
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じつ
ふりがな文庫
“
眤
(
じつ
)” の例文
そして、急に真面目な顔をして
眤
(
じつ
)
と男の顔を見ながら、『
真箇
(
ほんたう
)
よ、私
石女
(
うまずめ
)
なんですもの。子供を生まない女は女ぢやないでせう?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
斯
(
か
)
うなると、
一刻
(
いつこく
)
も
眤
(
じつ
)
として
居
(
を
)
られぬのは
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
である。
腕拱
(
うでこまぬ
)
いて、
一心
(
いつしん
)
に
鐵檻車
(
てつおりぐるま
)
の
運轉
(
うんてん
)
を
瞻
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが、
忽
(
たちま
)
ち
大聲
(
たいせい
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
措
(
お
)
いて呉れ、措いて呉れ、小説の講釈は聞飽きた、」と肱枕の書生は大
欠伸
(
あくび
)
をしつゝ
上目
(
うはめ
)
で
眤
(
じつ
)
と
瞻
(
みつ
)
めつ
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
健は待つてましたと言はぬ許りに急に難しい顔をして、
霎時
(
しばし
)
、
眤
(
じつ
)
と校長の
揉手
(
もみで
)
をしてゐるその手を見てゐた。そして言つた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分
(
じぶん
)
が
濡鼠
(
ぬれねずみ
)
の
樣
(
やう
)
になつて
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
も、
少
(
すく
)
なからず
潮水
(
しほみづ
)
を
飮
(
の
)
んで
腹
(
はら
)
が
苦
(
くる
)
しくなつて
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
も
忘
(
わす
)
れて、
胸
(
むね
)
は
驚
(
おどろき
)
と
悦
(
よろこび
)
に、
跳
(
をど
)
りつゝ、
眤
(
じつ
)
と
眺
(
なが
)
むる
前方
(
かなた
)
の
海上
(
かいじやう
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
『静子さん。』と清子は、
眤
(
じつ
)
と友の俯向いた顔を見ながら、しんみりした声で言つた。『私よく知つてるわ、貴女の心を!』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
實
(
じつ
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
だ——あの
船脚
(
ふなあし
)
の
速
(
はや
)
い
事
(
こと
)
は——』と
右手
(
ゆんで
)
の
時辰器
(
じしんき
)
を
船燈
(
せんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
して
打眺
(
うちなが
)
めつゝ、
眤
(
じつ
)
と
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
るのは
本船
(
ほんせん
)
の
一等運轉手
(
チーフメート
)
である。つゞいて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
眤
(
じつ
)
と松太郎の寝姿を見乍ら、大儀相に
枕頭
(
まくら
)
を廻つて、下駄を穿いたが、その寝姿の哀れに小さく見すぼらしいのがお由の心に
憐愍
(
あはれみ
)
の
情
(
こころ
)
を起させた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
叔父は、内赤に塗つた大きい
提子
(
ひさげ
)
に移した酒を、更に徳利に移しながら、
莞爾
(
にこつ
)
いた
眼眸
(
めつき
)
で
眤
(
じつ
)
と徳利の口を
瞶
(
みつ
)
めてゐた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其後姿を見送つた目を、其処に置いて行つた手紙の上に移して、智恵子は
眤
(
じつ
)
と呼吸を
凝
(
こら
)
した。神から授つた義務を
遂
(
は
)
たした様な満足の情が胸に溢れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
先生は御自分の一心で是非由松を
普通
(
あたりまへ
)
の小供にすると言つて、暇さへあればその由松を膝の間に坐らせて、(先生は腰かけて、)上から
眤
(
じつ
)
と見下しながら
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『それで、兄樣は
奈何
(
どう
)
思つて?』と、靜子は、並んで歩いてゐる信吾の横顏を
眤
(
じつ
)
と見つめた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、
一同
(
みんな
)
に挨拶した。そして、手づから椅子を引寄せて、遠慮もなく腰を掛け、校長や秋野と二言三言話してゐたが、何やら気の急ぐ
態度
(
やうす
)
であつた。その横顔を健は
眤
(
じつ
)
と
凝視
(
みつ
)
めてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眤
部首:⽬
10画
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御眤懇
親眤
眤近
近眤
観眤