“沈静”のいろいろな読み方と例文
旧字:沈靜
読み方割合
おちつ36.4%
おちつき27.3%
おちつい9.1%
おとなし9.1%
ちんせい9.1%
ひつそり9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「すこし沈静おちついたら、今夜は早く御帰りなさい。お定もああして心配していますから、ね、そうなさい」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
右側を往っていた双子がちらりとりかえった。広巳はついとった。双子は有意わざとらしい沈静おちつきを見せた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
せめて疵口くち悉皆すつかり密着くつつくまで沈静おちついて居て下され、と只管とゞめ宥め慰め、脱ぎしをとつてまたすれば、余計な世話を焼かずとよし、腹掛着せい、これは要らぬ、と利く右の手にて撥ね退くる。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
馬鹿野郎め、と親方に大喝されて其儘にぐづりと坐り沈静おとなしく居るかと思へば、散かりし還原海苔もどしのりの上に額おしつけ既鼾声いびきなり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
或はいわれて澎湃ばうはい白沫をばし、或は瀾となり沈静ちんせい深緑しんりよくあらはす、沼田をはつして今日にいたり河幅水量ともはなはだしく减縮げんしゆくせるをおぼえず、果して尚幾多の長程と幾多いくたの険所とをいうする
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
雪は屋外そとに降り積ると見え、時々窓の戸にあたつて、はた/\と物の崩れ落ちる音より外には、しんとして声一つしない、それは沈静ひつそりとした
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)