“寂静”のいろいろな読み方と例文
旧字:寂靜
読み方割合
じゃくじょう41.7%
ひっそり33.3%
しずけさ8.3%
しづかさ8.3%
じやくじやう8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ええ、ありがとう、ですからマグノリアの木は寂静じゃくじょうです。あの花びらは天の山羊やぎちちよりしめやかです。あのかおりは覚者かくしゃたちのとうとを人におくります。」
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
数間を離れて百姓や旅人、そういう人々の見物の群が、円陣を作って見守っているばかりで、気味悪いばかりに寂静ひっそりとしていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
築地海岸にむかえる空は仄白ほのしろ薄紅うすあかくなりて、服部の大時計の針が今や五時を指すと読まるる頃には、眠れる街も次第に醒めて、何処いずくともなく聞ゆる人の声、物の音は朝の寂静しずけさを破りて
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜はいたけにければ、さらでだに音をてる寂静しづかさはここに澄徹すみわたりて、深くも物を思入る苦しさに直道が蹂躙ふみにじる靴の下に、瓦のもろるるが鋭く響きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
毘婆舎那びばしやなの三行に寂静じやくじやう慧劒ゑけんぎ、四種の悉檀しつたんに済度の法音を響かせられたる七十有余の老和尚、骨は俗界の葷羶くんせんを避くるによつて鶴の如くに痩せ、まなこは人世の紛紜に厭きて半睡れるが如く
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)