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静
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しづか
ふりがな文庫
“
静
(
しづか
)” の例文
旧字:
靜
が、瑠璃子が、さう声をかけた瞬間、今迄
静
(
しづか
)
であつた父が、俄に立ち上つて、何かをしてゐるらしい様子が、アリ/\と感ぜられた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
古ぼけた
葭戸
(
よしど
)
を立てた
縁側
(
えんがは
)
の
外
(
そと
)
には
小庭
(
こには
)
があるのやら無いのやら
分
(
わか
)
らぬほどな
闇
(
やみ
)
の中に
軒
(
のき
)
の
風鈴
(
ふうりん
)
が
淋
(
さび
)
しく鳴り虫が
静
(
しづか
)
に鳴いてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
老人の乞食が附近の物寂びた家の階段に腰を据ゑて帽を
静
(
しづか
)
に差出すのも
煩
(
うるさ
)
くなかつた。二人の画家は翌日再び来て
此
(
この
)
塔の正面を描いた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
インガルスとは打つて変つた肥えた男で、診察のひま/\には、
静
(
しづか
)
な書斎でエマアソンの論文を読むのが何よりも好きであつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
従類
(
じうるゐ
)
眷属
(
けんぞく
)
寄
(
よ
)
りたかつて、
上
(
あ
)
げつ
下
(
お
)
ろしつ
為
(
し
)
て
責
(
せ
)
め
苛
(
さいな
)
む、
笞
(
しもと
)
の
呵責
(
かしやく
)
は
魔界
(
まかい
)
の
清涼剤
(
きつけ
)
ぢや、
静
(
しづか
)
に
差置
(
さしお
)
けば
人間
(
にんげん
)
は
気病
(
きやみ
)
で
死
(
し
)
ぬとな……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
誠に
静
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
兵士
(
へいし
)
ばかりでは無い馬までも
静
(
しづか
)
にしなければいかないと
申
(
まう
)
す
処
(
ところ
)
が、馬は
畜生
(
ちくしやう
)
の事で誠に心ない物でございますから、
焦
(
じれ
)
つたがり
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
打惑
(
うちまど
)
ひて
入
(
い
)
りかねたる彼の
目前
(
まのあたり
)
に、
可疑
(
うたがはし
)
き女客も
未
(
いま
)
だ
背
(
そむ
)
けたる
面
(
おもて
)
を
回
(
めぐら
)
さず、
細雨
(
さいう
)
静
(
しづか
)
に
庭樹
(
ていじゆ
)
を
撲
(
う
)
ちて
滴
(
したた
)
る
翠
(
みどり
)
は内を照せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
勿躰
(
もつたい
)
なき罪は我が心よりなれど、桜町の殿といふ
面
(
おも
)
かげなくば、胸の鏡に映るものもあらじ。罪は
我身
(
わがみ
)
か、殿か、殿だになくは我が心は
静
(
しづか
)
なるべきか。
否
(
いな
)
、かゝる事は思ふまじ。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
代助は
塀
(
へい
)
の
本
(
もと
)
に
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せて、
凝
(
じつ
)
と様子を
窺
(
うかゞ
)
つた。しばらくは、何の
音
(
おと
)
もなく、
家
(
いへ
)
のうちは全く
静
(
しづか
)
であつた。代助は
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つて、格子の
外
(
そと
)
から、
頼
(
たの
)
むと声を
掛
(
か
)
けて見様かと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
家
(
うち
)
の中には新しいよい
匂
(
にほ
)
ひのする
藁
(
わら
)
が一杯しいてありました。風ははいらないし、暖くて、その上
静
(
しづか
)
で、お猫さんとお黒さんは思はず、藁の中にもぐり込んで、寝てしまひました。
お猫さん
(新字旧仮名)
/
村山籌子
、
古川アヤ
(著)
治兵衛梅川などわが老畸人の得意の節おもしろく間拍子とるに
歩行
(
かち
)
も苦しからず、
蛇
(
じや
)
の滝をも一見せばやと思しが、そこへも
下
(
おり
)
ず巌角に
憩
(
いこひ
)
て、清々冷々の
玄風
(
げんぷう
)
を迎へ、
体
(
たい
)
静
(
しづか
)
に心
閑
(
のどか
)
にして
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
学士社会のあがれる際などならぬはなし、夜更け、人定まりて、
静
(
しづか
)
におもへば、我れはむかしの我にして、家はむかしの家なるものを、そも/\何をたねとしてか、うき草のうきしづみにより
一葉の日記
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
我こそ義経卿の御情を受けし
静
(
しづか
)
と申すもの也、君の御後をしたひ、是まで来りしが、附添ひし侍は道にて敵の為にうたれぬ、我も覚悟を極め懐剣に手をかけしが、いやいや何とぞして命のうちに
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
木々
(
きゞ
)
みな
死
(
し
)
ぬと
泣
(
な
)
く
庭
(
には
)
に、ひとり
静
(
しづか
)
に
夏の日
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
みんな
静
(
しづか
)
にゐなけりやあ
治
(
なほ
)
らないよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
六四
松の尾の峯
静
(
しづか
)
なる
曙
(
あけぼの
)
に
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ゆめ
静
(
しづか
)
なるはるの日の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
静
(
しづか
)
な静な
初夏
(
はつなつ
)
の
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
釣
(
つり
)
の帰りらしい
小舟
(
こぶね
)
がところ/″\
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
のやうに浮いてゐるばかり、
見渡
(
みわた
)
す
隅田川
(
すみだがは
)
は再びひろ/″\としたばかりか
静
(
しづか
)
に
淋
(
さび
)
しくなつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
扉
(
ドア
)
が
静
(
しづか
)
に押し開けられると、一度見たことのある少年が、名刺受の銀の盆を、手にしながら、
笑靨
(
ゑくぼ
)
のある可愛い顔を現した。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
言ひ伝へによると、
白拍子
(
しらびやうし
)
静
(
しづか
)
が母の
磯禅師
(
いそのぜんじ
)
はこゝに住むでゐたのださうで、禅師の
血統
(
ちすぢ
)
はその後も伝はつてゐるが、
産
(
うま
)
れる娘は皆
醜婦揃
(
すべたぞろ
)
ひである。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
美女
(
たをやめ
)
は
又
(
また
)
算
(
かぞ
)
へて、
鼓草
(
たんぽゝ
)
の
駒
(
こま
)
を
取
(
と
)
つて、
格子
(
かうし
)
の
中
(
なか
)
へ、……
菫
(
すみれ
)
の
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
を
分
(
わ
)
けて、
静
(
しづか
)
に
置替
(
おきか
)
へながら、
莞爾
(
につこ
)
と
微笑
(
ほゝゑ
)
む。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
瓢
(
ひよう
)
空
(
むなし
)
く
夜
(
よ
)
は
静
(
しづか
)
にして高楼に
上
(
のぼ
)
り、酒を買ひ、
簾
(
れん
)
を巻き、月を
邀
(
むか
)
へて
酔
(
ゑ
)
ひ、
酔中
(
すいちゆう
)
剣
(
けん
)
を払へば
光
(
ひかり
)
月
(
つき
)
を射る」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
エジツが縄を
弛
(
ゆる
)
め
乍
(
なが
)
ら耳をぢつと
澄
(
すま
)
して「それ、
釣瓶
(
つるべ
)
が今水に着きました」と
静
(
しづか
)
に言ふ時、底の底で
幽
(
かすか
)
に紙の触れる様な音がした。
釣瓶
(
つるべ
)
が重いので僕も手を添へて巻上げた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
へえ、
宜
(
よろ
)
しうございます。先「エー
御免下
(
ごめんくだ
)
さい、お
頼
(
たの
)
み
申
(
まうし
)
ます。ト
斯
(
か
)
う
静
(
しづか
)
に
開戸
(
ひらきど
)
を
開
(
あ
)
けなければ
往
(
いか
)
ない。小「へえー。先「エーお
頼
(
たの
)
み
申
(
まう
)
します/\。
小僧
(
こぞう
)
は、ツト
椅子
(
いす
)
を
離
(
はな
)
れて小 ...
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
かれ
)
は又三千代を
訪
(
たづ
)
ねた。三千代は
前日
(
ぜんじつ
)
の如く
静
(
しづか
)
に
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
いてゐた。
微笑
(
ほゝえみ
)
と
光輝
(
かゞやき
)
とに
満
(
み
)
ちてゐた。
春風
(
はるかぜ
)
はゆたかに
彼女
(
かのをんな
)
の
眉
(
まゆ
)
を吹いた。代助は三千代が
己
(
おのれ
)
を挙げて自分に信頼してゐる事を知つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
静
(
しづか
)
にうごく星くづを
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
静
(
しづか
)
にをどる
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
円
(
まる
)
い月は形が
大分
(
だいぶ
)
小
(
ちひさ
)
くなつて光が
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで、
静
(
しづか
)
に
聳
(
そび
)
える
裏通
(
うらどほ
)
りの
倉
(
くら
)
の
屋根
(
やね
)
の上、星の多い空の
真中
(
まんなか
)
に高く昇つて
居
(
ゐ
)
た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼が、軽い
駭
(
おどろ
)
きを感じて、見上げると、階段の中途を
静
(
しづか
)
に降りかかつてゐるのは、今日の
花形
(
スタア
)
なるアンナ・セザレウ※ッチと瑠璃子夫人とだつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
た※
渺々
(
べう/\
)
として
果
(
はて
)
もない
暗夜
(
やみ
)
の
裡
(
なか
)
に、
雨水
(
あめみづ
)
の
薄白
(
うすじろ
)
いのが、
鰻
(
うなぎ
)
の
腹
(
はら
)
のやうに
畝
(
うね
)
つて、
淀
(
よど
)
んだ
静
(
しづか
)
な
波
(
なみ
)
が、どろ/\と
来
(
き
)
て
線路
(
せんろ
)
を
浸
(
ひた
)
して
居
(
ゐ
)
さうにさへ
思
(
おも
)
はれる。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先づ
衣桁
(
いこう
)
に在りける
褞袍
(
どてら
)
を
被
(
かつ
)
ぎ、
夕冷
(
ゆふびえ
)
の火も
恋
(
こひし
)
く引寄せて
莨
(
たばこ
)
を
吃
(
ふか
)
しゐれば、天地
静
(
しづか
)
に
石走
(
いはばし
)
る水の響、
梢
(
こずゑ
)
を渡る風の声、
颯々淙々
(
さつさつそうそう
)
と鳴りて、幽なること太古の如し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何時
(
いつ
)
の間にか月がさして、
練絹
(
ねりぎぬ
)
を延べた様なロアル河は
直
(
す
)
ぐ前に白く、其れを隔てたツウルの街は
唯
(
たゞ
)
停車場
(
ステエシヨン
)
の
灯火
(
あかり
)
を一段
際
(
きは
)
やかに残した
丈
(
だけ
)
で、外は墨を塗つた様に黒く
静
(
しづか
)
に眠つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
あしたの
琴
(
こと
)
は
静
(
しづか
)
なり
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「悪徒の友なる
懐
(
いと
)
しき
夜
(
よ
)
は狼の歩み
静
(
しづか
)
かに
共犯人
(
かたうど
)
の如く進み来りぬ。いと広き
寝屋
(
ねや
)
の如くに、空
徐
(
おもむろ
)
に
閉
(
とざ
)
さるれば心
焦立
(
いらだ
)
つ人は
忽
(
たちまち
)
野獣の如くにぞなる……」
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
(
貴僧
(
あなた
)
、こゝから
下
(
を
)
りるのでございます、
辷
(
すべ
)
りはいたしませぬが
道
(
みち
)
が
酷
(
ひど
)
うございますからお
静
(
しづか
)
に、)といふ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
運動場
(
うんどうば
)
へ出て来ても
我々
(
われ/\
)
の仲間に
入
(
はい
)
つた事などは無い、
超然
(
てうぜん
)
として
独
(
ひと
)
り
静
(
しづか
)
に散歩して
居
(
を
)
ると
云
(
い
)
つたやうな
風
(
ふう
)
で、今考へて見ると、
成程
(
なるほど
)
年少詩人
(
ねんせうしじん
)
と
云
(
い
)
つた
態度
(
たいど
)
がありましたよ
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そよ吹く風は丁度
酣
(
たけなは
)
なる春の
夜
(
よ
)
の如く
爽
(
さわや
)
かに
静
(
しづか
)
に、身も溶けるやうに
暖
(
あたゝか
)
く、海上の大なる沈静が心を澄ませる。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
水
(
みづ
)
の
静
(
しづか
)
な
時
(
とき
)
は
大
(
おほき
)
い
角
(
つの
)
の
龍
(
りう
)
が
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
んだやうで、
風
(
かぜ
)
がさら/\と
吹
(
ふ
)
く
時
(
とき
)
は、
胴中
(
どうなか
)
に
成
(
な
)
つて
水
(
みづ
)
の
面
(
おもて
)
を
鱗
(
うろこ
)
が
走
(
はし
)
るで、お
城
(
しろ
)
の
様子
(
やうす
)
が
覗
(
のぞ
)
けるだから、
以前
(
いぜん
)
は
沼
(
ぬま
)
の
周囲
(
まはり
)
に
御番所
(
ごばんしよ
)
が
有
(
あ
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜
(
よ
)
に入りて
四辺
(
あたり
)
の
静
(
しづか
)
になるにつれ、お村が
悲喚
(
ひくわん
)
の声
冴
(
さ
)
えて眠り
難
(
がた
)
きに、旗野の主人も
堪兼
(
たまりか
)
ね、「あら
煩悩
(
うるさ
)
し、いで息の根を止めむず」と藪の中に
走入
(
はしりい
)
り、半死半生の
婦人
(
をんな
)
を
引出
(
ひきい
)
だせば
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
向
(
むかう
)
の
河岸
(
かし
)
に
静
(
しづか
)
ないゝ
家
(
うち
)
があるわ。わたし
達
(
たち
)
なら一
時間
(
じかん
)
二
百円
(
ひやくゑん
)
でいゝのよ。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
此折
(
このをり
)
から
下
(
した
)
の
廊下
(
らうか
)
に
跫音
(
あしおと
)
がして、
静
(
しづか
)
に
大跨
(
おほまた
)
に
歩行
(
ある
)
いたのが
寂
(
せき
)
として
居
(
ゐ
)
るから
能
(
よ
)
く。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道子
(
みちこ
)
は
小岩
(
こいは
)
の
売笑窟
(
ばいせうくつ
)
にゐた
時
(
とき
)
から
男
(
をとこ
)
には
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふわけもなく
好
(
す
)
かれる
性質
(
たち
)
の
女
(
をんな
)
で、
少
(
すこ
)
し
此
(
こ
)
の
道
(
みち
)
の
加減
(
かげん
)
がわかるやうになつてからは、いかに
静
(
しづか
)
な
晩
(
ばん
)
でも
泊
(
とま
)
り
客
(
きやく
)
のないやうな
夜
(
よる
)
はなかつたくらい。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
湖
(
みづうみ
)
の
殿堂
(
でんだう
)
を
志
(
こゝろざ
)
す、
曲折
(
きよくせつ
)
算
(
かぞ
)
ふるに
暇
(
いとま
)
なき、この
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
は、五
町
(
ちやう
)
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れ、十
町
(
ちやう
)
左
(
ひだり
)
に
曲
(
まが
)
り、二つに
岐
(
わか
)
れ、三つに
裂
(
さ
)
けて、
次第々々
(
しだい/\
)
に
奥深
(
おくふか
)
く、
早
(
はや
)
きは
瀬
(
せ
)
となり、
静
(
しづか
)
なるは
淵
(
ふち
)
となり、
奔
(
はし
)
るは
湍
(
はやせ
)
となり
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
“静”を含む語句
静寂
静粛
静止
沈静
静心
静謐
寂静
安静
閑静
寝静
静息
動静
静岡
静脈
静坐
物静
静子
幽静
静閑
静々
...