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静
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しずま
ふりがな文庫
“
静
(
しずま
)” の例文
旧字:
靜
いつしか気が
静
(
しずま
)
ると見えて、また木枯の吹き
荒
(
すさ
)
ぶ町の中を黒い服を地上に引摺って、蔦の絡んだ白壁の教会堂の方へと帰って行くのだ。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山中の
湯泉宿
(
ゆやど
)
は、
寂然
(
しん
)
として
静
(
しずま
)
り返り、遠くの方でざらりざらりと、
湯女
(
ゆな
)
が湯殿を洗いながら、歌を唄うのが聞えまする。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
暫らくの間は腕を
拱
(
く
)
んで、
顋
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
に
埋
(
うず
)
めて、身動きをもせずに
静
(
しずま
)
り返ッて黙想していたが、
忽
(
たちま
)
ちフッと首を振揚げて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「しっかりしろ!
馬鹿
(
ばか
)
!」と、
哄笑
(
こうしょう
)
から
静
(
しずま
)
った群衆は、また人夫にこうした
激励
(
げきれい
)
の言葉を投げている。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
幕の後から覗く百姓の群もあれば、
柵
(
さく
)
の上に登って見ている子供も有ました。手を
拍
(
たた
)
く音が
静
(
しずま
)
って一時
森
(
しん
)
としたかと思うと、やがて
凛々
(
りり
)
しい能く徹る声で、誰やらが演説を始める。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
それよりは
室内
(
しつない
)
また
音
(
おと
)
もなく、ひッそりと
静
(
しずま
)
り
返
(
かえ
)
った。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
高笑いの声がする内は何をしている位は大抵想像が附たからまず宜かッたが、こう
静
(
しずま
)
ッて見るとサア容子が解らない。文三
些
(
すこ
)
し不安心に成ッて来た。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
顔も
真赤
(
まっか
)
に一面の火になったが、
遥
(
はる
)
かに小さく、ちらちらと、ただやっぱり物見の松の梢の処に、
丁子頭
(
ちょうじがしら
)
が揺れるように見て、気が
静
(
しずま
)
ると、坊主も猿も影も無い。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
風呂敷を掛けられると、又急に籠の中は薄暗くなって、鳥の動くのが
静
(
しずま
)
ってしまう。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と一心不乱、さっと木の葉を
捲
(
ま
)
いて風が
南
(
みんなみ
)
へ吹いたが、たちまち
静
(
しずま
)
り返った、夫婦が
閨
(
ねや
)
もひッそりした。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
フト瞬く間
淀
(
よど
)
んで、
静
(
しずま
)
って、揺れず、なだらかになったと思うと、前髪も、眉も、なかだかな鼻も、口も、
咽喉
(
のんど
)
の
幽
(
かす
)
かに見えるのも、色はもとより
衣紋
(
えもん
)
つきさえ、
明
(
あかる
)
くなって
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとえば
店頭
(
みせさき
)
で小僧どもが、がやがや騒いでいる処へ、来たよといって拇指を出して御覧なさい、ぴったりと
静
(
しずま
)
りましょう、また若い人にちょっと小指を見せたらどうであろう
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸
(
やっ
)
と白尾を見て、囁いて聞くと、私たち三人がかりで
片傍
(
かたわき
)
へ連出して、穏かに掛合ったので、何うにか
静
(
しずま
)
って黙ったが、あの
八
(
や
)
ツ
頭
(
がしら
)
を
倒
(
さかさま
)
に植えたような頭は、いま一寸見当らない
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
町を流るゝ
大川
(
おおかわ
)
の、
下
(
しも
)
の
小橋
(
こばし
)
を、もつと
此処
(
ここ
)
は下流に成る。やがて
潟
(
かた
)
へ落ちる
川口
(
かわぐち
)
で、
此
(
こ
)
の田つゞきの
小流
(
こながれ
)
との
間
(
あいだ
)
には、
一寸
(
ちょっと
)
高く
築
(
きず
)
いた
塘堤
(
どて
)
があるが、
初夜
(
しょや
)
過ぎて町は遠し、村も
静
(
しずま
)
つた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
“静”を含む語句
静寂
静粛
静止
沈静
静心
静謐
寂静
安静
閑静
寝静
静息
動静
静岡
静脈
静坐
物静
静子
幽静
静閑
静々
...