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静
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しづ
ふりがな文庫
“
静
(
しづ
)” の例文
旧字:
靜
不審に思つて
先
(
ま
)
づ封を切つて見ると驚くまいことか彼が今の妻と結婚しない以前に関係のあつた
静
(
しづ
)
といふ女からの手紙である。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今より
二九七
雄気
(
をとこさび
)
してよく心を
静
(
しづ
)
まりまさば、此らの
邪神
(
あしきかみ
)
を
逐
(
やら
)
はんに翁が力をもかり給はじ。ゆめゆめ心を静まりませとて、
実
(
まめ
)
やかに
覚
(
さと
)
しぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
美禰子は
二重瞼
(
ふたへまぶた
)
を
細
(
ほそ
)
くして高い所を
眺
(
なが
)
めてゐた。それから、その
細
(
ほそ
)
くなつた儘の
眼
(
め
)
を
静
(
しづ
)
かに三四郎の方に向けた。さうして
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誠に
静
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
兵士
(
へいし
)
ばかりでは無い馬までも
静
(
しづか
)
にしなければいかないと
申
(
まう
)
す
処
(
ところ
)
が、馬は
畜生
(
ちくしやう
)
の事で誠に心ない物でございますから、
焦
(
じれ
)
つたがり
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
軽
(
かる
)
く
其
(
そ
)
の
黒髪
(
くろかみ
)
を
戦
(
そよ
)
がしに
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
もなしに、
空
(
そら
)
なる
桜
(
さくら
)
が、はら/\と
散
(
ち
)
つたが、
鳥
(
とり
)
も
啼
(
な
)
かぬ
静
(
しづ
)
かさに、
花片
(
はなびら
)
の
音
(
おと
)
がする……
一片
(
ひとひら
)
……
二片
(
ふたひら
)
……
三片
(
みひら
)
……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
銀
(
ぎん
)
のすすきの
波
(
なみ
)
をわけ、かゞやく
夕陽
(
ゆふひ
)
の
流
(
なが
)
れをみだしてはるかにはるかに
遁
(
に
)
げて
行
(
い
)
き、そのとほつたあとのすすきは
静
(
しづ
)
かな
湖
(
みづうみ
)
の
水脈
(
みを
)
のやうにいつまでもぎらぎら
光
(
ひか
)
つて
居
(
を
)
りました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山の根の
木立
(
こだち
)
くろくして
静
(
しづ
)
けきを家いで来つつ
恋
(
こ
)
ふることあり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
吹かれつつ
苞
(
はう
)
ぬぎすててかきつばた
静
(
しづ
)
もる
獄庭
(
には
)
の花となりたり
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
悲
(
かな
)
しくも
静
(
しづ
)
かにも見ひらき給ふ青き
華
(
はな
)
——
少女
(
をとめ
)
の
瞳
(
ひとみ
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
病
(
びやう
)
人だから
静
(
しづ
)
かにのせて下さい
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
その音に耳を
静
(
しづ
)
めて。
まよわし
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
静
(
しづ
)
かに
漕
(
こぎ
)
やれ
勘太殿
(
かんたどの
)
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
水
(
みづ
)
静
(
しづ
)
かなる江戸川の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『僕も
酔
(
よひ
)
が
醒
(
さ
)
めかゝつて寒くなつて来た。
静
(
しづ
)
ちやんさへ
差
(
さし
)
つかへ無けれア
彼
(
あ
)
の
角
(
かど
)
の西洋料理へ上がつてゆつくり話しませう。』
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼は三十分と立たないうちに、
吾家
(
わがいへ
)
の
門前
(
もんぜん
)
に
来
(
き
)
た。けれども
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
る気がしなかつた。
彼
(
かれ
)
は高い
星
(
ほし
)
を
戴
(
いたゞ
)
いて、
静
(
しづ
)
かな
屋敷町
(
やしきまち
)
をぐる/\徘徊した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
随意
(
まゝ
)
にさつしやりませ。すつとこ
被
(
かぶ
)
りをした
天狗様
(
てんぐさま
)
があつて
成
(
な
)
ろかい。
気
(
き
)
を
静
(
しづ
)
めさつしやるが
可
(
い
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わかき日のなまめきのそのほめき
静
(
しづ
)
こころなし。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『
静
(
しづ
)
が
可
(
い
)
い、
静
(
しづ
)
が
可
(
い
)
い』と彼は心に
繰返
(
くりかへ
)
しながら室内をのそ/\歩いて居たが、突然ソハの上に倒れて両手を顔にあてゝ
溢
(
あふ
)
るゝ涙を
押
(
おさ
)
へた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
兄
(
あに
)
は
洋卓
(
てえぶる
)
の
上
(
うへ
)
の手紙を
取
(
と
)
つて自分で
巻
(
ま
)
き始めた。
静
(
しづ
)
かな部屋の
中
(
なか
)
に、
半切
(
はんきれ
)
の
音
(
おと
)
がかさ/\
鳴
(
な
)
つた。
兄
(
あに
)
はそれを
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くに封筒に納めて懐中した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
見送
(
みおく
)
ると
小
(
ちい
)
さくなつて、一
坐
(
ざ
)
の
大山
(
おほやま
)
の
背後
(
うしろ
)
へかくれたと
思
(
おも
)
ふと、
油旱
(
あぶらでり
)
の
焼
(
や
)
けるやうな
空
(
そら
)
に、
其
(
そ
)
の
山
(
やま
)
の
巓
(
いたゞき
)
から、すく/\と
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
た、
瀧
(
たき
)
の
音
(
おと
)
も
静
(
しづ
)
まるばかり
殷々
(
ゐん/\
)
として
雷
(
らい
)
の
響
(
ひゞき
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わかき日のその靄に
音
(
ね
)
は
響
(
ひゞ
)
く、
静
(
しづ
)
こころなし。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「自然は宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。又此宝石が採掘の運に逢ふ迄に、幾年の星霜を
静
(
しづ
)
かに
輝
(
かゞ
)
やいてゐたか」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
旦那
(
だんな
)
、はて、お
前様
(
めえさま
)
、
何
(
なに
)
言
(
い
)
はつしやる。
何
(
ど
)
うさつしやる……
気
(
き
)
を
静
(
しづ
)
めてくらつせえよ。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かくしてものの
静
(
しづ
)
やかにひとときあまり。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
からんとした
広
(
ひろ
)
い座敷へ
朝
(
あさ
)
の
緑
(
みどり
)
が
庭
(
には
)
から
射
(
さ
)
し込んで、
凡
(
すべ
)
てが
静
(
しづ
)
かに見えた。
戸外
(
そと
)
の
風
(
かぜ
)
は急に落ちた様に思はれた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
婦人
(
をんな
)
は
衣紋
(
えもん
)
を
抱合
(
かきあ
)
はせ、
乳
(
ちゝ
)
の
下
(
した
)
でおさへながら
静
(
しづ
)
かに
土間
(
どま
)
を
出
(
で
)
て
馬
(
うま
)
の
傍
(
わき
)
へつゝと
寄
(
よ
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
静
(
しづ
)
かな五
月
(
ぐわつ
)
の
昼
(
ひる
)
、
湯沸
(
サモワル
)
からのぼる
湯気
(
ゆげ
)
が
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
厭味
(
いやみ
)
のある言ひ
方
(
かた
)
ではなかつた。たゞ三四郎にとつて自分は興味のないものと
諦
(
あきら
)
めた様に
静
(
しづ
)
かな口調であつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あれが、かあ/\
鳴
(
な
)
いて
一
(
ひと
)
しきりして
静
(
しづ
)
まると
其姿
(
そのすがた
)
の
見
(
み
)
えなくなるのは、
大方
(
おほかた
)
其翼
(
そのはね
)
で、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
をかくしてしまふのでしやう、
大
(
おほ
)
きな
翼
(
はね
)
だ、まことに
大
(
おほき
)
い
翼
(
つばさ
)
だ、けれどもそれではない。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いと高くいと深くいと
静
(
しづ
)
にいと
蕭
(
しめ
)
やげる
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
園
(
その
)
の
隣
(
となり
)
なる
車
(
くるま
)
は、づゝと
長
(
なが
)
く
通
(
とほ
)
つた
青
(
あを
)
い
室
(
へや
)
で、
人数
(
にんず
)
は
其処
(
そこ
)
も
少
(
すく
)
ない。が、しかし二十
人
(
にん
)
ぐらゐは
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
た。……
但
(
たゞ
)
し
其
(
それ
)
も、
廻燈籠
(
まはりどうろ
)
の
燈
(
ひ
)
が
消
(
き
)
えて、
雨
(
あめ
)
に
破
(
やぶ
)
れて、
寂然
(
しん
)
と
静
(
しづ
)
まつた
影
(
かげ
)
に
過
(
す
)
ぎない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かつ
遠
(
とほ
)
み、かつ近み、
静
(
しづ
)
こころなし。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鱗
(
うろこ
)
は
光
(
ひか
)
つても、
其
(
それ
)
が
大蛇
(
だいじや
)
でも、
此
(
こ
)
の
静
(
しづ
)
かな
雨
(
あめ
)
では
最
(
も
)
う
雷光
(
いなびかり
)
の
憂慮
(
きづかひ
)
はない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あはれ、こはもの
静
(
しづ
)
かなる
幽潭
(
いうたん
)
の
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「……お
静
(
しづ
)
かに、お
静
(
しづ
)
かに、
然
(
さ
)
やうなら……」
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
静
(
しづ
)
かにすゝむ
時
(
とき
)
の
輪
(
わ
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
もの
静
(
しづ
)
かで、
且
(
か
)
つ
沁々
(
しみ/″\
)
寂
(
さび
)
しい。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大地
(
たいち
)
静
(
しづ
)
かにふしまろび
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
九百九町
(
くひやくくちやう
)
の
静
(
しづ
)
まりに
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
“静”を含む語句
静寂
静粛
静止
沈静
静心
静謐
寂静
安静
閑静
寝静
静息
動静
静岡
静脈
静坐
物静
静子
幽静
静閑
静々
...