トップ
>
利口
>
りこう
ふりがな文庫
“
利口
(
りこう
)” の例文
流して
泣居
(
なきゐ
)
るに大岡殿三吉を見らるゝに
如何
(
いか
)
にも
物賢
(
ものかし
)
こく
利口
(
りこう
)
さうなる小僧ゆゑ此者を
欺
(
だまし
)
て
能々
(
よく/\
)
聞糺
(
きゝたゞ
)
さば百兩の盜賊も知れるに相違なしと
最初
(
さいしよ
)
より目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こんなことを
言
(
い
)
っておしゃべりをしていくうちに、くらげはいったいあまり
利口
(
りこう
)
でもないくせにおしゃべりなおさかなでしたから、ついだまっていられなくなって
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
猫女
(
ねこおんな
)
に……首領、おまえさんは
利口
(
りこう
)
だよ。眼はしが
利
(
き
)
くよ。しかし、猫女はおまえさんより一枚上手だ。さっき、
抜穴
(
ぬけあな
)
のなかで、まんまと、猫女にまきあげられたよ。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
○「自分ながら
利口
(
りこう
)
過ぎるのが鼻につくから、少し馬鹿になる
稽古
(
けいこ
)
をしようと思うんだけど。」
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
恐らくこれは、さも
利口
(
りこう
)
ぶっている彼の頭脳に、非常な欠陥があった証拠ではありますまいか。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
それにまた
理窟
(
りくつ
)
で自分をやりこめるほどゴットフリートが
利口
(
りこう
)
だなどとは、思いもよらないことだった。
彼
(
かれ
)
はやり返してやる
議論
(
ぎろん
)
か
悪口
(
あっこう
)
を考えたが、思いあたらなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
馬は動物のなかで一番
利口
(
りこう
)
だといわれている。この馬は、源三郎の愛馬で、故郷伊賀からの途中も、駕籠でなければこの馬にまたがり、しじゅう親しんできたものだった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
無敵
(
むてき
)
にわけのわからぬ
強情
(
がうじよう
)
の
加减
(
かげん
)
、
唯〻
(
たゞ/\
)
女房
(
にようぼう
)
にばかり
手
(
て
)
やはらかなる
可笑
(
をか
)
しさも
呑込
(
のみこ
)
めば、
伯母
(
おば
)
なる
人
(
ひと
)
が
口先
(
くちさき
)
ばかりの
利口
(
りこう
)
にて
誰
(
た
)
れにつきても
根
(
ね
)
からさつぱり
親切氣
(
しんせつげ
)
のなき
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
娘があんまり
利口
(
りこう
)
でもないしするから、片方の口は信じられないと、女の子によほど心を傾けて居ない栄蔵は、やきもきして、どうにかせずばとさわぐお節をなだめて居た。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「あれ、お前もなかなか
洒落
(
しゃれ
)
たことを言うぜ。何時の間に、そんなに
利口
(
りこう
)
になったんだ」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところで彼は、ルピック夫人が、
利口
(
りこう
)
で確かな助手を
欲
(
ほ
)
しがっているということを感づいた。どうせ彼女は、それを口に出していうはずはない。それほど負け惜しみが強いのだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「よきは
利口
(
りこう
)
だから
※
(
ねえ
)
が
處
(
とこ
)
に
居
(
ゐ
)
るんだぞ」お
品
(
しな
)
はいつた。おつぎは
自分
(
じぶん
)
の
筵
(
むしろ
)
の
上
(
うへ
)
へ
抱
(
だ
)
いて
行
(
い
)
つた。おつぎの
手
(
て
)
は
落葉
(
おちば
)
の
埃
(
ほこり
)
で
汚
(
よご
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
再
(
ふたゝ
)
び
庖丁
(
はうちやう
)
を
持
(
も
)
つた
時
(
とき
)
大根
(
だいこ
)
には
指
(
ゆび
)
の
趾
(
あと
)
がついた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
代助は、
斯
(
か
)
う真卒性急に万事を疑ふには、あまりに
利口
(
りこう
)
に生れ
過
(
す
)
ぎた男である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
西洋
(
あちら
)
の子供は
至
(
いたつ
)
て
利口
(
りこう
)
だといふお話で。
或
(
あ
)
る
著述
(
ちよじゆつ
)
をなさるお
方
(
かた
)
がございます。
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
小
(
ちひ
)
さき
潛門
(
くゞりもん
)
の
中
(
なか
)
へ
引込
(
ひつこ
)
んで、
利口
(
りこう
)
さうな
目
(
め
)
をぱつちりと、
蒋生
(
しやうせい
)
を
熟
(
じつ
)
と
見
(
み
)
て
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
然
(
さ
)
うだ/\、
全體
(
ぜんたい
)
杉村君
(
すぎむらくん
)
は、
我々
(
われ/\
)
の
蠻勇
(
ばんいう
)
を
見
(
み
)
て
驚
(
おどろ
)
いて
了
(
しま
)
つたのだ。
迚
(
とて
)
も
太刀打
(
たちうち
)
が
出來
(
でき
)
ないから、それで
見物
(
けんぶつ
)
へ
廻
(
まは
)
つたのだ。
人間
(
にんげん
)
は
利口
(
りこう
)
に
出來
(
でき
)
てる。
我々
(
われ/\
)
は
馬鹿
(
ばか
)
に
出來
(
でき
)
てるよ』と
水谷氏
(
みづたにし
)
も
言
(
い
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
だまれ! だまれ、だまれ。だまっておれのいいつけどおりにしていればいいんだ。おまえは
利口
(
りこう
)
な
人間
(
にんげん
)
じゃないし、あまり役に立ちそうもないが、おれのいいつけどおりにやりさえすれば、おれはいつもおまえを
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「
利口
(
りこう
)
になりたくないかい?」と尋ねると
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
とられる
半間
(
はんま
)
に
盗
(
と
)
る
利口
(
りこう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ま、お
利口
(
りこう
)
だこと」
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
聞かれいやとよ夫は
差置
(
さしおき
)
外々
(
ほか/\
)
の御役人にては誰が
利口
(
りこう
)
發明
(
はつめい
)
なる
噂
(
うはさ
)
にやと仰せらる其時伊勢守
參
(
さん
)
候外御役人にては町奉行越前など發明との評判に御座候やに
承
(
うけた
)
まはる旨を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
は
宰相殿
(
さいしょうどの
)
のお
屋敷
(
やしき
)
に
使
(
つか
)
われるようになってから、
体
(
からだ
)
こそ
小
(
ちい
)
さくても、まめまめしくよく
働
(
はたら
)
きました。
大
(
たい
)
へん
利口
(
りこう
)
で、
気
(
き
)
が
利
(
き
)
いているものですから、みんなから
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
何しろ、力があって
剣
(
けん
)
が立つということになっていたから、
根
(
ね
)
がさほど
利口
(
りこう
)
でない大迫玄蕃、年功というわけで平番士の中では比較的
上席
(
じょうせき
)
にもいたし、城中で怖い者がなかった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
世
(
よ
)
にある
頃
(
ころ
)
の
唐棧
(
とうざん
)
ぞろひに
小氣
(
こき
)
の
利
(
き
)
いた
前
(
まへ
)
だれがけ、お
世辭
(
せじ
)
も
上手
(
じようず
)
、
愛敬
(
あいけう
)
もありて、
年
(
とし
)
の
行
(
ゆ
)
かぬやうにも
無
(
な
)
い、
父親
(
てゝおや
)
の
居
(
ゐ
)
た
時
(
とき
)
よりは
却
(
かへ
)
つて
店
(
みせ
)
が
賑
(
にぎ
)
やかなと
評判
(
ひやうばん
)
された
利口
(
りこう
)
らしい
人
(
ひと
)
の
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まったく
利口
(
りこう
)
そうなところの感じられない、
野蛮人
(
やばんじん
)
のような、異様な
相好
(
そうこう
)
でした。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
うむ、
畑
(
はたき
)
や
深
(
ふか
)
くなくつちや
收穫
(
と
)
んねえものよそら、
俺
(
お
)
らあ
壯
(
さかり
)
の
頃
(
ころ
)
にや
此間
(
こねえだ
)
のやうに
淺
(
あさ
)
く
耕
(
うな
)
あもんだた
思
(
ま
)
あねえのがんだから、
現在
(
いま
)
ぢやはあ、
悉皆
(
みんな
)
利口
(
りこう
)
んなつてつから
俺
(
お
)
らがにや
分
(
わか
)
んねえが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
フランス人に言わせるとこの方が生活にも人生にも
利口
(
りこう
)
なやり方だと言う。
女性崇拝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
田舎にもこんなに人間が住んでるかと
驚
(
おど
)
ろいたぐらいうじゃうじゃしている。
利口
(
りこう
)
な顔はあまり見当らないが、数から云うとたしかに馬鹿に出来ない。そのうち評判の高知の何とか踴が始まった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴
(
たつと
)
き事もあり、
哀
(
あは
)
れなる事もあり、少しは
空物語
(
そらものがたり
)
もあり、
利口
(
りこう
)
なる事もありと
前文
(
ぜんぶん
)
に
記
(
しる
)
し
置
(
お
)
かれたり、
竹取物語
(
たけとりものがたり
)
、
宇津保物語
(
うつぼものがたり
)
は
噺
(
はなし
)
の
父母
(
ちゝはゝ
)
にして、
夫
(
それ
)
より
下
(
しも
)
つ
方
(
かた
)
に
至
(
いた
)
りては、
爺
(
ぢゞ
)
は山へ、
婆
(
ばゞ
)
は川へ
洗濯
(
せんたく
)
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
沸
(
わか
)
して
遣
(
つか
)
はす
筈
(
はず
)
なれど夫よりは近所ゆゑ湯に入て
來
(
く
)
るがよいお文も父と共に
行
(
ゆく
)
べしと
辯舌
(
べんぜつ
)
利口
(
りこう
)
を以て
口車
(
くちぐるま
)
に乘せ金の
蔓
(
つる
)
と思ふ
姪
(
めひ
)
のお文は如何なる
容貌
(
しろもの
)
かとお文が
仰向
(
あふむく
)
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
腹
(
なか
)
のよれるやうな
可笑
(
をか
)
しき
事
(
こと
)
をば
眞面目
(
まじめ
)
に
成
(
な
)
りて
仰
(
おつ
)
しやりし
物
(
もの
)
なれども、
今日此頃
(
けふこのごろ
)
のお
人
(
ひと
)
の
惡
(
わ
)
るさ、
憎
(
に
)
くいほどお
利口
(
りこう
)
な
事
(
こと
)
ばかりお
言
(
い
)
ひ
遊
(
あそば
)
して、
私
(
わたし
)
のやうな
世間見
(
せけんみ
)
ずをば
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
で
揉
(
も
)
んで
丸
(
まる
)
めて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お待ちよ。そんな古い手は、よそじゃア知らないけれど、この神田じゃアきかないんだよ。あたしがこうやってにこにこ笑っているうちに、お前さん、とっとと帰ったほうが
利口
(
りこう
)
のようだね。出直しておいでよ、顔でも洗ってサ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
年
(
とし
)
は
十六
(
じふろく
)
なれども
不圖
(
ふと
)
見
(
み
)
る
處
(
ところ
)
は
一
(
いち
)
か
二
(
に
)
か、
肩幅
(
かたはゞ
)
せばく
顏
(
かほ
)
少
(
ちひ
)
さく、
目鼻
(
めはな
)
だちはきり/\と
利口
(
りこう
)
らしけれどいかにも
脊
(
せい
)
の
矮
(
ひく
)
ければ
人
(
ひと
)
嘲
(
あざけ
)
りて
仇名
(
あだな
)
はつけゝる、
御免
(
ごめん
)
なさい、と
火鉢
(
ひばち
)
の
傍
(
そば
)
へづか/\と
行
(
ゆ
)
けば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うで
我
(
お
)
れは
此樣
(
このやう
)
な
活地
(
いくぢ
)
なし、
馬車
(
ばしや
)
は
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ
事
(
こと
)
、
此後
(
このご
)
辻車
(
つぢぐるま
)
ひくやら
知
(
し
)
れた
物
(
もの
)
で
無
(
な
)
ければ、
今
(
いま
)
のうち
身
(
み
)
の
納
(
おさま
)
りを
考
(
かんが
)
へて、
利口
(
りこう
)
で
物
(
もの
)
の
出來
(
でき
)
る、
學者
(
がくしや
)
で
好男子
(
いろをとこ
)
で、
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
いに
乘
(
のり
)
かへるが
隨
(
ずゐ
)
一であらう
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“利口”で始まる語句
利口者
利口不食