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りこう
ふりがな文庫
“
悧口
(
りこう
)” の例文
私が見ただけの事をすっかりお話しすれば、あなたがたはびっくりなさると思いますが、話は少ないほうが
悧口
(
りこう
)
だと言いますからね。
世界怪談名作集:11 聖餐祭
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
手をはぶくことに
悧口
(
りこう
)
になることは、出来を愚かにしてしまいます。山中の漆器は余りにも安ものを心掛けた傾きがあります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「貧乏になるのも
洒落
(
しゃれ
)
ているぜ。世帯の苦労をさせると、第一娘がもう少し
悧口
(
りこう
)
になるよ、貧乏の味のよさを知らないのが金持の落度なんだ」
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大変
悧口
(
りこう
)
さうなひげを生やしたリスさんですから、本を買つてくれるだらうと思つて「リスさん、本を買つて下さい。私はりつぱな本屋さんです」
兎さんの本屋とリスの先生
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
ところがどうでしょう、
悧口
(
りこう
)
じゃありませんか、どのみち、事面倒と見たから、あの方は、その晩のうちにこの土地をすっぽかしてしまいました。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
この教授は
悧口
(
りこう
)
な人物で、あまりに深く他人の秘密を見透し過ぎるように思われたので、彼は初対面以来、この人をそれとなく避けていたのである。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
ここはこの老女の顔を立てて素直に手を引いた方が結句
悧口
(
りこう
)
かも知れないと思ったので、彼はいさぎよく承知した。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
少なくとも彼の地位以上の教育を受けた人物であると思われるが、彼は多数のなかにたまたま少しく
悧口
(
りこう
)
な者がいても、そんな人間は必要でないと言った。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
帳場に寄りかかりながら
怪訝
(
けげん
)
らしい微笑を浮かべて私を見ているので、私はあの空家を工場にしているのは
悧口
(
りこう
)
なやりかただと、私の意見をくり返して言った。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
いかにその演説が教育に関係するを要しないとても、青年が
主賓
(
しゅひん
)
になっている以上は、
招
(
まね
)
かれる弁士はただ
能弁
(
のうべん
)
だとか
悧口
(
りこう
)
だとかいうだけの資格では足りない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
内省とか
羞恥
(
しゅうち
)
とか、いわば道徳的観念とでも呼ばれるものに余程標準の狂ったところがあって、
突拍子
(
とっぴょうし
)
もない表出には莫迦だか
悧口
(
りこう
)
だか一見見当もつかなかった。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これだけ世の中が開けて来たのだと人々はいう。人間が
悧口
(
りこう
)
になったので、胡弓や鼓などの、
間
(
ま
)
のびのした馬鹿らしい歌には耳を
藉
(
か
)
さなくなったのだと人々はいう。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
というのは天帝如来、そいつを拝むようなまねをして、毛唐の連中のご機嫌をとり、うまく通商貿易をし、ボロい儲けをしようとしたのさ。実際きゃつらは
悧口
(
りこう
)
だったよ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういう彼女の方がしゃべりたてる彼女よりも、はるかに
悧口
(
りこう
)
ではるかに同情が寄せられるように、クリストフには思われた。彼は以前よりも偏見の少ない眼で彼女をながめた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
単に情痴ならばあのような
破目
(
はめ
)
に落ちずとも、少くとも彼ほどの男なら、もっと
悧口
(
りこう
)
に身を処することが出来る筈なのだ。もっと深い処で彼は身を賭けたに違いないのだ。しかしその
詳細
(
しょうさい
)
は判らない。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
非常に
悧口
(
りこう
)
な子だったと家の人達は言っている。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
『千枝子さんはお
悧口
(
りこう
)
ね。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
兎はお
悧口
(
りこう
)
で
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「貧乏になるのも
洒落
(
しや
)
れてゐるぜ。世帶の苦勞をさせると、第一娘がもう少し
悧口
(
りこう
)
になるよ、貧乏の味のよさを知らないのが金持の落度なんだ」
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
だが同時に平易でないが故に、いかに
角
(
かど
)
が多いであろう。そこには
悧口
(
りこう
)
さから来る意識の患いがあまりに多い。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
悧口
(
りこう
)
なようで、なんだか馬鹿にされている、上手な猟師のつもりで、一方の兎を思いきって、一方だけ確実に手に入れる策戦に出でたことの思いきりを、我ながら腕前と信じていたのが
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『お
悧口
(
りこう
)
にして居た。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
五人の中で
悧口
(
りこう
)
な信太郎は、隙を見て土藏を
脱出
(
ぬけだ
)
しましたが、村右衞門に
脅
(
おど
)
かされた言葉が恐ろしくて祕密を
漏
(
もら
)
す間もないうち、
鑄掛屋
(
いかけや
)
の權次に
誘
(
さそ
)
ひ出され
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
悪い意味で作り方が
悧口
(
りこう
)
になったため、正直に手間をかける仕事が少くなってきました。買手にも罪はあるでしょうが、それよりも
問屋
(
とんや
)
が粗末なものを強いる結果だと申す方が本当でありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「この女は
悧口
(
りこう
)
で愛嬌があつて、色つぽくて、手が早くて、噛みつかれると命が危ないから、
蝮
(
まむし
)
のお源といふんださうですよ。大友瀬左衞門もこの女には一目も二目も置く」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「俺は上総屋へ行く。音松を刺した匕首が、どこかに隠してあるはずだ。捨てるにしちゃ下手人は
悧口
(
りこう
)
すぎる。それから、和七と仙之助の外に、昨夜そっと脱け出した奴があるかも解らない」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
捜してみるがいい。お留は
悧口
(
りこう
)
なようでも
下司
(
げす
)
な女だ。定吉を殺して三十両の金を奪ったのを、捨て兼ねて、どこかに隠しているに違いない。その金が見付かったら、その場でお留を縛るんだぞ
銭形平次捕物控:108 ガラッ八手柄話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
悧
漢検1級
部首:⼼
10画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“悧”で始まる語句
悧巧
悧発
悧好
悧溌
悧巧者
悧
悧發
悧怜
悧恰