さか)” の例文
彼女の双眼は、叡智えいちのなかに、いたずらを隠して、さかしげにまたたいていた。引きしまった白い顔に、黒すぎるほどの眼だった。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ことに彼のさかしげなのを見て、泰親は叔父夫婦にも子細をうちあけて、彼を自分の弟子として取り立ててみたいと言った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遠眼とほめ鋭眼とめさかしな
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
侍従も薄々はきょうの不首尾を覚っているらしく、かれは若い姫のさかしいひとみの光りを避けるように、小さくすぼめた膝の上に自分の眼を落としてしまった。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遠眼とほめ鋭眼とめさかしな
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)