“葛蘿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かずら25.0%
かつら25.0%
かづら25.0%
つたかづら25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
崖には杉の大木にまじって象皮色のけやきの幹が枝をひろげ、こぶだらけのいたやはさいのように立ち、朽ちはてたえのみはおおかた枝葉を落しつくして葛蘿かずらにまかれている。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
葛蘿かつらとなりて幹に纏ひまつはるが如く男性に倚るものなり、男性の一挙一動を以て喜憂となす者なり、男性の愛情の為に左右せらるゝ者なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
私は背よりも高い藪をむちやくちやにかきわけながらでこでこな灌木の枝に頬をはじかれ、軍配団扇みたいな葛蘿かづらに足をさされして息のつまりさうな深みからひとつの峰へ辛うじてぬけだした。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
島の西浦の、蓊鬱と茂つた巨木が長い枝を垂れて、その枝から更に太い葛蘿つたかづらが綱梯子のやうに長く垂れた下の渚近くをめぐつて、棧橋のそばの岸で私達は舟を棄てた。
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)