“かずら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.9%
34.9%
14.0%
2.3%
葛蔓2.3%
葛蘿2.3%
蔦蔓2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白い著物きもの・白いかずら、手は、足は、すべて旅の装束いでたちである。頭より上に出た杖をついて——。このたいらに来て、森の前に立った。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
大谷吉継が予見したように、臨津江の氷は半ば融けかかって居たので、柳成竜工夫してかずらをもって橋をかけたので、大軍間もなく坡州に入った。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ふと見れば片側ののきにそひて、つたかずらからませたるたなありて、そのもとなる円卓まるづくえを囲みたるひとむれの客あり。こはこの「ホテル」に宿りたる人々なるべし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
みんなこうして、一人残らず、ちゃあんと葵のかずらかずらをつけておりますもの。(仲間の女に同意を求め)ねえ?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
だれも彼もがはなやかに着飾きかざり、それぞれ美しい花のついた葵のかずらをかけて、衣裳いしょうには葵のかずらをつけている。……
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
それよりも日本という国のありがたいことは、竹と葛蔓かずらとが野山のやまにありあまって、これをいろいろの容器に利用する技術が、まことにらくらくと国民のあいだに進みかつひろまってきたことである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
崖には杉の大木にまじって象皮色のけやきの幹が枝をひろげ、こぶだらけのいたやはさいのように立ち、朽ちはてたえのみはおおかた枝葉を落しつくして葛蘿かずらにまかれている。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
中に一条ひとすじ、つるくさ交りの茅萱ちがや高く、生命いのちからむと芭蕉の句の桟橋かけはしというものめきて、奈落へおつるかと谷底へ、すぐに前面むこうの峠の松へ、蔦蔓かずらで釣ったようにずる故道ふるみちの、細々と通じているのが
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)