“趺座”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぐら66.7%
ふざ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あらッ!」とお宮は、入って来るからちょうど真正面まともにそっち向きに趺座あぐらをかいていた柳沢の顔を見てはしゃいだように笑いかかった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
というや、今までの豪傑は急に狼狽ろうばいしはじめた。露出した膝頭ひざがしらを気にして、衣服きものおおわんとしたり、あるいは趺座あぐらをかいた足を幾分かむすび直し、正座の姿に移らんとした。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
此処から来路らいろを見かえると、額縁がくぶちめいた洞門どうもんしきられた宇治川の流れの断片が見える。金剛不動の梵山ほんざん趺座ふざして、下界流転るてんの消息は唯一片、洞門をひらめき過ぐる川水の影に見ると云う趣。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)