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ふざ
ふりがな文庫
“
戯
(
ふざ
)” の例文
旧字:
戲
アントニウスの眼の前には毎夜のやうに裸の美人が映つて、聖者を誘惑しようとして
有
(
あら
)
ゆる
戯
(
ふざ
)
けた姿をして踊り狂つてゐたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かね「居る
処
(
とこ
)
が知れてるくらいなら
斯様
(
こん
)
なに心配はしやアしない、お
戯
(
ふざ
)
けでないよ、私もお前のような人の
傍
(
そば
)
には居られないよ」
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
と
合爾合
(
カルカ
)
姫は中央の篝火の正面に、並んで
床几
(
しょうぎ
)
に掛ける。猛虎
太陽汗
(
タヤンカン
)
は悠然と
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
の傍に坐る。
汪克児
(
オングル
)
は独りで
戯
(
ふざ
)
けまわる。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
なにを風呂場で
戯
(
ふざ
)
けているのだろう。若い人はしようがないと思っていると、やがて
溜息
(
ためいき
)
のような長い声が聞えた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
技手が何か手真似で
戯
(
ふざ
)
けた。そしたら露助が、またしゃっ
面
(
つら
)
を一層赤くして、「あっはっはっ。」と笑った。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
戯
(
ふざ
)
けるも満更でも無いと見えて、
偶々
(
たまたま
)
昇が、お勢の望む通り、真面目にしていれば、さてどうも物足りぬ様子で、
此方
(
こちら
)
から、遠方から、危うがりながら、ちょッかいを出してみる。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「いやよ、あんな
老爺染
(
じじいじみ
)
た人は——
戯
(
ふざ
)
けないでさ。
真実
(
ほんとう
)
に言って御覧」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
八「笑かせアがらア、
若大将
(
わかてえしょう
)
に胡麻すりアがって
脊負
(
おんぶ
)
のくせに、
割前
(
わりめえ
)
が出ねえと思って
戯
(
ふざ
)
けアがると向う
臑
(
ずね
)
ぶっ
挫
(
くだ
)
かれねえ用心しやアがれ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いかん/\。こんな目にあつて、黙つてるといふ法はない。こんどあんな
戯
(
ふざ
)
けた真似をしたら、一つ思ひきりたしなめてやらなくつちや。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その証拠には、このお妙がそれで——とにかく、これは
戯
(
ふざ
)
けて済む問題ではなく、お妙は、この時はもう、立派に喬之助を恋していたのだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
庭へ下りようともせずに、
戯
(
ふざ
)
けるような声を出して鳴いた。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、間もなく毬はまた
卓子
(
テーブル
)
の上に落ちて来た。そして道徳家のやうに四角い顔をしてゐるインキ壺に
戯
(
ふざ
)
けかゝつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
戯
(
ふざ
)
けるなッ! 兄が妹をつれて行くに何の文句があるんでエ。
帰
(
けえ
)
るには帰るが、妹をつれて帰るんだ。来いッ!」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
梅「お
戯
(
ふざ
)
けでないよあのお
店
(
たな
)
から酒の
下物
(
さかな
)
にしろって台所の
金藏
(
きんぞう
)
さんが持って来た物があるよ」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
池には肥えふとつた緋鯉だの、真鯉だのが、面白さうに、
戯
(
ふざ
)
けあつて、時々水の上へ躍り上るやうな事さへあつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「一般の読者は低劣なものでしょう。
使丁
(
してい
)
走卒
(
そうそつ
)
を相手にする気で
戯
(
ふざ
)
け半分に書けばよいのでしょう。」
仇討たれ戯作
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
丁「馬鹿にしてあがらア、
手前
(
てめえ
)
たちが火事場稼ぎをするんだろう、悪く
戯
(
ふざ
)
けあがッて」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といつて勧誘員は
戯
(
ふざ
)
けたやうに、一寸お辞儀をしたが、
迚
(
とて
)
も駄目だとあきらめて、素直に
起
(
た
)
つて帰つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
傴僂
(
せむし
)
の道化者
汪克児
(
オングル
)
は、葉のついた木の枝を剣に見立てて、身振りおかしく独りで
戯
(
ふざ
)
け廻っている。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
勝「エ、御尤もで、じゃア
私
(
わっし
)
は是から
直
(
すぐ
)
に行って参ります、申訳がありませぬから、あの野郎、本当に何うも
戯
(
ふざ
)
けやアがって、引張って来て横ずっ
頬
(
ぽう
)
を
撲飛
(
はりと
)
ばして、
屹度
(
きっと
)
申訳をいたします」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男はいきなり女の手を取つて少し相談があると言つて、弁護士の
家
(
うち
)
を出て往つた。三十分後には、この二人は活動写真館に入つて、
夫婦鳩
(
めをとばと
)
のやうに肩を並べて
戯
(
ふざ
)
け散らしてゐたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
戯
(
ふざ
)
けるねえ——それにしてもこう押し詰ってから大黒柱がぽっきりと来た日にゃあ、徳撰の店も上ったりだろうぜ。そこへ行くと、お前の前だが、一
代
(
でえ
)
分限
(
ぶんげん
)
の悲しさってものさのう。」
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
極
(
きま
)
りを云って居るぜ、
戯
(
ふざ
)
けるナ、お
前
(
めえ
)
はそれだからいけねえ、評判が悪い、五十か百で買える物を持って来て二十両貸せなんてエ
強迫
(
ゆすり
)
騙
(
かた
)
りみた様な事を云っては困る、
此様
(
こん
)
な鎌は
幾許
(
いくら
)
もある
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
で、耳を噛んだり、鼻先を押へたり、色々な
戯
(
ふざ
)
けた
振
(
ふり
)
をして桃太郎に
調弄
(
からか
)
つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
番新「何うしたの、帰るの、お
戯
(
ふざ
)
けなますな、坐んなまし」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
戯
(
ふざ
)
けなさんな。とにかく、ここで咽喉を
潤
(
うるお
)
して行こう」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
新「
戯
(
ふざ
)
けちゃア困るぜ冗談じゃアねえ、お
前達
(
めえたち
)
は
訝
(
おか
)
しいぜ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
峯「
戯
(
ふざ
)
けちゃアいけねえじゃアねえか、此処まで来て、此処じゃア立場も
無
(
ね
)
え、下沢渡へ別れ道の
小口
(
こぐち
)
まで
往
(
い
)
きねえな、
彼処
(
あすこ
)
へ
往
(
い
)
けば又一人や二人帰り車も居るだろうから、此処じゃア何うもしようがねえやな」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
作「嘘をいえ、
戯
(
ふざ
)
けずに早くよこせよ、戯けるなよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
戯
(
ふざ
)
けでないよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“戯”を含む語句
悪戯
戯言
調戯
遊戯
戯談
戯謔
串戯
惡戯
児戯
冗戯
戯曲
悪戯盛
悪戯気
戯作
戯弄
戯場
博戯
悪戯児
演戯
悪戯好
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