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悪戯
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わるさ
ふりがな文庫
“
悪戯
(
わるさ
)” の例文
旧字:
惡戲
「文公、六助、久太——また
悪戯
(
わるさ
)
か。いくら貰ったか知らないが、止せ止せ、そいつは人殺しの片棒だ。うかつに担ぐと命がねえぞ」
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、何者の
悪戯
(
わるさ
)
かサッパリ判りません。ただ「
葬式
(
とむらい
)
機関車」D50・444号は、まるで
彼岸会
(
ひがんえ
)
の坊主みたいに忙しかったんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
この
暴風雨
(
あらし
)
に乗じて、何物か
悪戯
(
わるさ
)
した者があるらしい。最難工事としていた岩木川の上流の石垣がくずれ、続いて山崩れを招いていた。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これ、なんといふ
悪戯
(
わるさ
)
をしなさるだ!」と、笑ひながら悪魔が叫んだ。「さあ、もう沢山です、ふざけるのはいい加減になさいよ!」
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
奴
(
おの
)
れ小娘、覚悟をしろ。こんな
悪戯
(
わるさ
)
をして俺の大切な役目を破ったからには生かしておく事は出来ないぞ。どうするか見ておれ」
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
なんでもお若いお武家とかの袂へ
悪戯
(
わるさ
)
をするところを感づかれて、すんでのことでつかまろうとしたのを、まあ
奴
(
やつ
)
にとっちゃあこの人混みを
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一体どこでこんな
悪戯
(
わるさ
)
をされたのかと思って、なおも両手でもって縫いつけられた糸目を探してみた。そうしているうちに
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子供のあそびではあるまいし、
悪戯
(
わるさ
)
もいゝかげんにするがいゝ、といふので、帆まへ船に向つて、口々に
罵
(
ののし
)
り出しました。
海坊主の話
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
「なんといふことぢやらう、まあ、みつともない、
悪戯
(
わるさ
)
もいゝ加減にしてもらはんと、みんなが弱つてしまふに…………」
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
「わかってる」彼は頭がちょっとふらふらするのを感じた、「それに、子供どうしの
悪戯
(
わるさ
)
なんて珍らしいことじゃないよ」
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「マクシム、お前は泥棒の
悪戯
(
わるさ
)
には入るな! 俺は考えるんだが、お前には
他
(
ほか
)
の道がある。お前は精神的な人間だ」
マクシム・ゴーリキイの伝記:幼年時代・少年時代・青年時代
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この一団の符号が、この真裏に当る、防堤の上に記されてあったのですが、一見したところでは、なんのことはない子供の
悪戯
(
わるさ
)
としか見えないでしょう。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
また足らなくなったらいつでもいってよこすがいいから……おれのほうの仕事はどうもおもしろくなくなって
来
(
き
)
おった。正井のやつ何か容易ならぬ
悪戯
(
わるさ
)
を
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
黄成鎬 へへへへ、なに、ちょいと
悪戯
(
わるさ
)
をしておりましたんで。お手数をかけまして、なんとも早や——。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
お庄は時々疲れた手を休めて、台所の方で
悪戯
(
わるさ
)
をしながら、こっちへ手招ぎしている繁三の方を見ていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お源もその例にもれず行きあたりばったりにちょっと
悪戯
(
わるさ
)
をしたんですが、運悪くその相手が桜場清六。
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そんな
悪戯
(
わるさ
)
をしては眼を潰すかも知れないんだからね。若しも今云つた事を守らないやうだつたら、もうお話しはさようならだ。私はお前達のお相手は御免蒙るよ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
しろ。これぁどうも変なこった。己にはあの声はだれだかわからねえ。だが、あれぁだれかが
悪戯
(
わるさ
)
をしてるんだ、——だれか正体のある人間がだ、それにゃ違えねえ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
『何したんだ、どういふもんだ——めた(幾度も)
悪戯
(
わるさ
)
しちや困るぢやないかい。』といふ細君の声を聞いて、音作は
暫時
(
しばらく
)
耳を澄まして居たが、
軈
(
やが
)
て思ひついたやうに
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
森の木を
伐
(
き
)
ったり、
叢
(
くさ
)
を刈ったりしたので、隠れ家を奪われたと見えて、幾匹かの狸が伝法院の院代をしている人の家の縁の下に隠れて、そろそろ
持前
(
もちまえ
)
の
悪戯
(
わるさ
)
を始めました。
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
ちょうど愛におぼれる母親が
悪戯
(
わるさ
)
をする子供を擁して、あわれな
子守
(
こもり
)
をしかるように。私は私の心のその弱みを知っている。それを知っているだけ私は善鸞を許し難いのだ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そりゃ両手を後手に縛ってね、僕らにも自分らにも
悪戯
(
わるさ
)
が出来んようにして、馬鹿者どもを台所へ引っぱり込んだ。奴らが憎くもあれば、顔を見るのが気恥かしくもあるってわけさ。
妻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
仲直りをして、ちょいと悪党な処を見せて、そこらで思い着かれようという際限のない
大慾張
(
おおよくばり
)
、源次は源次だけの
考
(
かんがえ
)
で、既に今夜
印半纏
(
しるしばんてん
)
で、いなって
反身
(
そりみ
)
の始末であったが、
悪戯
(
わるさ
)
も
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前さんがわしにまだいろんな
悪戯
(
わるさ
)
をすることは、よくわかってる。だけどわしはお前さんを捨てることができない。お前さんはわしの腹の役にたつ、わしを笑わしてくれるから。」
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
能
(
よ
)
く来たな、此の寒いのに
往
(
い
)
かねえでもいゝから泊って
往
(
い
)
きなよ、
此間
(
こねえだ
)
はお作が
悪戯
(
わるさ
)
アして気の毒な事をした、
家
(
うち
)
なア阿魔を小言いって
打擲
(
ぶちたて
)
えたが、仕様のねえ奴で、堪忍してくんなよ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
大供
(
おおども
)
が
悪戯
(
わるさ
)
をやり出したわい。さあ
忙
(
せわ
)
しいぞ忙しいぞ!」徳善院は退出した。
五右衛門と新左
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其児が人一倍
悪戯
(
わるさ
)
に
長
(
た
)
けて、横着で、時にはその
生先
(
おひさき
)
が危まれる様な事まで
為出
(
しで
)
かす為には違ひないが、一つは渠の性質に、
其麽
(
そんな
)
事をして或る感情の満足を求めると言つた様な
点
(
ところ
)
があるのと、又
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
汝
(
うな
)
など
悪戯
(
わるさ
)
ばりさな、
傘
(
かさ
)
ぶっこわしたり。」
風の又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
市
(
いち
)
の日、諸郷の
小商人
(
こあきんど
)
やら
伯楽
(
ばくろう
)
やら雑多な人々の集まる市で、
悪戯
(
わるさ
)
の行われるぐらいは、まだまだ近頃の世相のうちでは、それが白昼
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それはさぞ御心配、多分お濠に棲んでいる獺の
悪戯
(
わるさ
)
であろう、
拙僧
(
わし
)
がちょいと退治して進ぜる。娘御には何んにも仰しゃらぬが宜しい」
新奇談クラブ:03 第三夜 お化け若衆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
悪戯
(
わるさ
)
じゃあるめえ。」遠いところを見るような眼で、独言のように藤吉は続ける。
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とうとうきびしい
掟
(
おきて
)
を犯して船乗りの命の綱の灯台へ、ガスの深い夜ごとに、看守の居眠り時を利用して
沙汰
(
さた
)
限りの
悪戯
(
わるさ
)
をしかける……けれども、ある夜とうとう看守にみつけられた彼女は
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
いつも酔っぱらってばかりいるのか? どうして召使たちはあんなにだらしなく、どいつもこいつも寝てばかりいて起きている間はいつも
悪戯
(
わるさ
)
ばかりしているのか? といったようなことだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
自分ですらそっと手もつけないで済ませたい血なまぐさい身の上を……自分は老人ではない。葉子は田川夫人が
意地
(
いじ
)
にかかってこんな
悪戯
(
わるさ
)
をするのだと思うと激しい敵意から口びるをかんだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この宿命的な
妖神
(
まがつみ
)
の
悪戯
(
わるさ
)
に対して、町人達——わけても美しい娘や女房を持った人々は、本当に
顫
(
ふる
)
え上がってしまいました。
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ばかな、そんな
悪戯
(
わるさ
)
かよ。たしかに道誉とて、
好
(
す
)
き心もないではないが、元々は純な同情だった。けれど訪ねて、泣かれたのがいけなかった」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたしどもは決して貸家にはいり込んで
他人様
(
ひとさま
)
の荷を知らん顔して着服するような者じゃあごわせん。ねえ、あなたはここで鎧櫃を受け取ったそうですが、ちと
悪戯
(
わるさ
)
が過ぎませんか。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
船をさえ見ればそうした
悪戯
(
わるさ
)
をしおるんだから、海
坊主
(
ぼうず
)
を見るようなやつです。そういうと頭のつるりとした
水母
(
くらげ
)
じみた入道らしいが、実際は元気のいい意気な若い医者でね。おもしろいやつだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
なんともはやお話にもならぬ
悪戯
(
わるさ
)
がおつぱじまる始末なのぢや。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:02 はしがき
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「——その上にもです。右馬介から聞けば、私のつまらぬ
悪戯
(
わるさ
)
から、御当家へまで、何か、探題殿よりむずかしい御尋問の沙汰がありましたとか」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
併
(
しか
)
し最後の時は来ました。ある夏の夜、岩吉の執拗な
悪戯
(
わるさ
)
は、
到頭
(
とうとう
)
、山の処女の恐怖を、腹の底から揺り覚しました。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何ごとであろう? また、黒犬めが
悪戯
(
わるさ
)
でもしおったのではないか——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蹴飛ばして呉れるから! なんといふ
悪戯
(
わるさ
)
をしくさるのぢや!
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「……先日は
乾分
(
こぶん
)
どもの
悪戯
(
わるさ
)
。なんとも、お見それ申しやして」と、いとも神妙に、三拝九拝して、一
献
(
こん
)
差し上げたいという申しいでなのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに、背恰好、左足首に骨まで通った
切瘡
(
きりきず
)
——これは若い頃の
悪戯
(
わるさ
)
の祟りで、お守りの私がうんと叱られました
銭形平次捕物控:049 招く骸骨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「爺つぁん、あんまり
灰
(
あく
)
の強い
悪戯
(
わるさ
)
はしないがいいぜ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「おらあ何時でも思ひきり騒いだり
悪戯
(
わるさ
)
の出来なかつた時にやあ、なんだか胸がつかへたやうで気持が悪いんだよ。まるで、帽子か
煙管
(
パイプ
)
でもおつことしたやうな、いやに間の抜けた気持なのさ。つまり哥薩克でねえやうな気がするつて訳さ。」
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
凛々
(
りり
)
しい青年なので、何かのこれは間違いにちがいないと、先にどなった少年の
悪戯
(
わるさ
)
をむしろ憎んだほどであった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
悪戯
(
わるさ
)
をしたのは
鼠
(
ねずみ
)
ですよ、親分さん、近頃の鼠はそりゃタチが悪いから、壁でも板戸でもすぐ喰い破りますよ」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「狐か、
悪戯
(
わるさ
)
をしやあがる。」
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“悪戯”の解説
悪戯(いたずら、あくぎ、prank, mischief, practical joke)とは、悪ふざけ、人を担ぐこと。度を超した悪戯を「悪ふざけ」という。相手を不快にさせた場合は「嫌がらせ」になる。また、女性に性的な刺激を与える行為も悪戯といえる。
(出典:Wikipedia)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“悪戯”で始まる語句
悪戯者
悪戯盛
悪戯児
悪戯好
悪戯心
悪戯気
悪戯書
悪戯小僧
悪戯子
悪戯事