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『沼』
ふりがな文庫
『
沼
(
ぬま
)
』
おれは沼のほとりを歩いてゐる。 昼か、夜か、それもおれにはわからない。唯、どこかで蒼鷺の啼く声がしたと思つたら、蔦葛に掩はれた木々の梢に、薄明りの仄めく空が見えた。 沼にはおれの丈よりも高い芦が、ひつそりと水面をとざしてゐる。水も動かない。 …
著者
芥川竜之介
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
迷
(
まよひ
)
青
(
さを
)
間
(
あひだ
)
艸
(
ぐさ
)
幸
(
さいはひ
)
滑
(
なめらか
)
鮮
(
あざやか
)
造作
(
ざうさ
)
悪戯
(
いたづら
)
欺
(
だま
)
蔽
(
おほ
)
蔦葛
(
つたかづら
)
蒼鷺
(
あをさぎ
)
睡蓮
(
すゐれん
)
梢
(
こずゑ
)
掩
(
おほ
)
匀
(
にほひ
)
半
(
なか
)
憧
(
あこ
)
夜
(
よる
)
拍子
(
ひやうし
)
夢現
(
ゆめうつつ
)
仄
(
ほの
)
何時
(
いつ
)
其処
(
そこ
)
行
(
ゆ
)
藻
(
も
)
吐息
(
といき
)
呟
(
つぶや
)
莟
(
つぼみ
)
芦
(
あし
)
年経
(
としへ
)
的皪
(
てきれき
)
漂
(
ただよ
)
洩
(
も
)
水底
(
みなそこ
)
此処
(
ここ
)
丈
(
たけ
)
横
(
よこた
)
棲
(
す
)
憧
(
あこが
)
枝蛙
(
えだかはづ
)