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円
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まろ
ふりがな文庫
“
円
(
まろ
)” の例文
旧字:
圓
あるひは
炬燵
(
こたつ
)
にうづくまりて絵本読みふけりたる、あるひは帯しどけなき
襦袢
(
じゅばん
)
の
襟
(
えり
)
を開きて
円
(
まろ
)
き
乳房
(
ちぶさ
)
を見せたる
肌
(
はだえ
)
に
伽羅
(
きゃら
)
焚
(
た
)
きしめたる
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
頤
(
おとがい
)
細く、顔
円
(
まろ
)
く、大きさ過ぎたる鼻の下に、
賤
(
いや
)
しげなる
八字髭
(
はちじひげ
)
の上唇を
蔽
(
おお
)
わんばかり、濃く茂れるを貯えたるが、
面
(
かお
)
との配合を
過
(
あやま
)
れり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さしわたし三間ばかりに
周
(
めぐら
)
したる高さ六七尺の
円
(
まろ
)
き壇を雪にて作り、これに
二処
(
ふたところ
)
の上り
階
(
だん
)
を作る、これも雪にてする、
里俗
(
りぞく
)
呼
(
よん
)
で
城
(
しろ
)
といふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
僅
(
わずか
)
にかえり見れば小き
円
(
まろ
)
きうつくしき虹の我身をめぐりて目の下に低く輝けるあり。我動くところに虹も
亦
(
また
)
従いて動く。
滝見の旅
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
内に黒く
剛
(
かた
)
い、しかし外に灰銀の柔かな、平滑な光の面、面は縦に大きく
円
(
まろ
)
く、極めて薄手の幅を持って、その両面が
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
矮身
(
せいひく
)
で、
怖
(
おそろ
)
しく
近眼
(
ちかめ
)
な、
加之
(
おまけ
)
に、背広の
背
(
せな
)
をいつも
黄金虫
(
こがねむし
)
のやうに
円
(
まろ
)
めてゐた
良人
(
をつと
)
に、窮屈な衣冠を着けさせるのは、何としても気の毒であつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ちなみにわが国の神官の間に伝わる言い伝えに、人間の霊魂は「
妙
(
たえ
)
に
円
(
まろ
)
き」たまであるという考えがあるそうである。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
乙女たちの合唱は
華
(
はな
)
やかな
酒楽
(
さかほがい
)
の歌に変って来た。そうして、林をぬけると再び、人家を包む
円
(
まろ
)
やかな濃緑色の団塊となった森の中に吸われて行った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
答「たとえば
粘土
(
ねんど
)
を以て一つの
円
(
まろ
)
い
陶壺
(
すえつぼ
)
を仕上げようとなされていたものが、真二つとなってしまったからでした」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『これは驚いた。』校長はさう言つて、
態
(
わざ
)
とでもない様に眼を
円
(
まろ
)
くした。そして、もう一度、『これは驚いた。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人
若
(
も
)
し我が右の頬を
摳
(
う
)
たば、左の頬をも向けて摳たしめよとは、
豈
(
あに
)
天地を
円
(
まろ
)
うする最大秘訣にあらずや。
想断々(1)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その、いかにも窮屈気な胸の膨らみ、
円
(
まろ
)
く駛り落ちる腰の曲線——それは葉子のそれのように、胸を締つける力ではなかったけれど、
仄々
(
ほのぼの
)
と匂う生の美であった。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
進んで行った一疋は、たびたびもうこわくて、たまらないというように、四本の脚を集めてせなかを
円
(
まろ
)
くしたりそっとまたのばしたりして、そろりそろりと進みました。
鹿踊りのはじまり
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ただ工兵にさえ出合わなければ、大将をも
俘
(
とりこ
)
に出来る役である。保吉は
勿論
(
もちろん
)
得意だった。が、
円
(
まろ
)
まろと
肥
(
ふと
)
った小栗は任命の終るか終らないのに、工兵になる不平を訴え出した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
郎女が、筆をおいて、にこやかな
笑
(
えま
)
いを、
円
(
まろ
)
く
跪坐
(
ついい
)
る此人々の背におとしながら、のどかに併し、音もなく、山田の廬堂を立ち去った刹那、心づく者は一人もなかったのである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
杯盤狼藉
(
はいばんろうぜき
)
と取散らしてある中に、昇が背なかに
円
(
まろ
)
く切抜いた
白紙
(
しらかみ
)
を張られてウロウロとして立ている、その
傍
(
そば
)
にお勢とお鍋が腹を抱えて絶倒している、が、お政の姿はカイモク見えない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
青い
円
(
まろ
)
い体に銀光の斑点の付いている裸虫の止っているのも啼く虫と見えて、ぎょっとしたこと、其の時の小さな心臓の鼓動、かゝる
空溝
(
からどぶ
)
に生えている
草叢
(
くさむら
)
にすら特有の臭い、其等は、今
感覚の回生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寝よげに見える東山の、
円
(
まろ
)
らの姿は
薄墨
(
うすずみ
)
よりも淡く、霞の奥所にまどろんでおれば、
知恩院
(
ちおんいん
)
、
聖護院
(
しょうごいん
)
、
勧修寺
(
かんじゅじ
)
あたりの、寺々の僧侶たちも
稚子
(
ちご
)
たちも、安らかにまどろんでいることであろう。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
証する無かるべけん 明珠八顆
都
(
すべ
)
て収拾す 想ふ汝が心光地に
凭
(
より
)
て
円
(
まろ
)
きを
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
今日見れば唯だ水いろに
煙
(
けぶ
)
るなり旅順の空の
円
(
まろ
)
き
峰峰
(
みねみね
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
円
(
まろ
)
やかな音調のビロードのようなフルートの声……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
汝
(
な
)
が背にそびえしくれなゐの
円
(
まろ
)
き柱はいかに
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
わづかにも
円
(
まろ
)
く光りぬ。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
さしわたし三間ばかりに
周
(
めぐら
)
したる高さ六七尺の
円
(
まろ
)
き壇を雪にて作り、これに
二処
(
ふたところ
)
の上り
階
(
だん
)
を作る、これも雪にてする、
里俗
(
りぞく
)
呼
(
よん
)
で
城
(
しろ
)
といふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
……どれ、(樹の蔭に一むら
生茂
(
おいしげ
)
りたる
薄
(
すすき
)
の中より、組立てに
交叉
(
こうさ
)
したる三脚の竹を
取出
(
とりいだ
)
して据え、次に、その上の
円
(
まろ
)
き板を置き、
卓子
(
テェブル
)
のごとくす。)
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男は
暗
(
やみ
)
の中にも、遂ぞ無い事なので
吃驚
(
びつくり
)
して、目を
円
(
まろ
)
くしてゐたが、やがてお定は
忍音
(
しのびね
)
に
歔欷
(
すすりなき
)
し始めた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
くもりなき水晶の
花瓶
(
はながめ
)
や、
可笑
(
おか
)
しげにふくらみて、二人の顔のうつりたる、
円
(
まろ
)
き
其
(
その
)
横腹の
面
(
おもて
)
には、窓なる額縁に限られて、森の茂りと、
古里
(
ふるさと
)
の空の
画
(
え
)
こそ
描
(
えが
)
かれたれ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
進
(
すゝ
)
んで
行
(
い
)
つた一
疋
(
ぴき
)
は、たびたびもうこわくて、たまらないといふやうに、四
本
(
ほん
)
の
脚
(
あし
)
を
集
(
あつ
)
めてせなかを
円
(
まろ
)
くしたりそつとまたのばしたりして、そろりそろりと
進
(
すゝ
)
みました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
圭角
(
けいかく
)
をなくした
円
(
まろ
)
やかな地図の輪郭は、
長閑
(
のどか
)
な雲のように微妙な線を張って
歪
(
ゆが
)
んでいた。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
海に見て地球のかたち
円
(
まろ
)
しとふ
童
(
わらべ
)
は小さしよろこびにけり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
事なきに過ぐる心を破るべく海に遊べど海も
円
(
まろ
)
かり
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
土を
円
(
まろ
)
めて9・21(夕)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
円
(
まろ
)
く
埋
(
うづ
)
めて青むなれ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
周囲に
柵
(
さく
)
を結いたれどそれも低く、錠はあれど
鎖
(
さ
)
さず。
注連
(
しめ
)
引結いたる。青く
艶
(
つやや
)
かなる
円
(
まろ
)
き石の
大
(
おおい
)
なる下より
溢
(
あふ
)
るるを
樋
(
ひ
)
の口に受けて木の
柄杓
(
ひしゃく
)
を添えあり。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
愚
(
ぐ
)
按
(
あんずる
)
に
円
(
まろき
)
は天の正
象
(
しやう
)
、
方
(
かく
)
は地の
実位
(
じつゐ
)
也。天地の気中に
活動
(
はたらき
)
する万物
悉
(
こと/″\
)
く
方円
(
はうゑん
)
の
形
(
かたち
)
を
失
(
うしな
)
はず、その一を以いふべし、人の
体
(
からだ
)
方
(
かく
)
にして
方
(
かく
)
ならず、
円
(
まろ
)
くして円からず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『ハヽヽヽ。』と、渠は
軽
(
かろ
)
く笑つた。そして、眼を
円
(
まろ
)
くして直ぐ前に立つてゐる新入生の一人に
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
燦
(
きら
)
らかにごむの
大樹
(
たいじゆ
)
に
射
(
さ
)
す光
燦
(
きら
)
らかに
円
(
まろ
)
く
眠
(
ね
)
る
正覚坊
(
しやうがくぼう
)
真珠抄
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
炭を採る露天のもとの土の段桟敷のかたち
円
(
まろ
)
く現る
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
円
(
まろ
)
く
埋
(
うづ
)
めて青むなり。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
毛は黒いが額は
禿
(
は
)
げ、
面長
(
おもなが
)
な、目は
円
(
まろ
)
く、頬の肉は窪んだけれども、
口許
(
くちもと
)
に
愛嬌
(
あいきょう
)
ある、熱海の湯宿伊豆屋の帳場に喜兵衛といって、帳面とともに古い番頭。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蓊欝
(
こんもり
)
と木が
蔽
(
かぶさ
)
つてるのと、桶の口を溢れる水銀の雫の様な水が、其処らの青苔や
円
(
まろ
)
い石を濡らしてるのとで、
如何
(
いか
)
な
日盛
(
ひざかり
)
でも
冷
(
すずし
)
い風が立つてゐる。智恵子は不図
渇
(
かつ
)
を覚えた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
雪
天陽
(
てんやう
)
を
離
(
はなれ
)
て
降下
(
ふりくだ
)
り地に
皈
(
かへれ
)
ば天
陽
(
やう
)
の
円
(
まろ
)
き
象
(
かたどり
)
うせて地
陰
(
いん
)
の
方
(
かく
)
なる
本形
(
ほんけい
)
に
象
(
かたど
)
る、ゆゑに
雪頽
(
なだれ
)
は千も万も
圭角
(
かどだつ
)
也。このなだれ
解
(
とけ
)
るはじめは
角々
(
かど/\
)
円
(
まろ
)
くなる、これ
陽火
(
やうくわ
)
の日にてらさるゝゆゑ天の
円
(
まろき
)
による也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
上弦を
食
(
は
)
み
出
(
づ
)
る
円
(
まろ
)
き
陰
(
かげ
)
の月夜空は青し
冱
(
さ
)
えかへりつつ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
またしても
円
(
まろ
)
く大きく
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
松には
注連縄
(
しめなわ
)
張りたり。
香
(
こう
)
を
焚
(
た
)
く箱置きて、
地
(
つち
)
の上に
円
(
まろ
)
き
筵
(
むしろ
)
敷きつ。
傍
(
かたわら
)
に堂のふりたるあり。廻廊の右左稲かけて低く垣結いたる、月は今その裏になりぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
齢は二十一二であらう。少し鳩胸の、肩に程よい
円
(
まろ
)
みがあつて、
歩方
(
あるきかた
)
がシツカリしてゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鳥の声黒樫の木の照り
円
(
まろ
)
き
梢
(
うれ
)
よりきこゆ日の光満ち
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いやが上に荒れ果てさして、霊地の跡を空しゅうせじとて、心ある
市
(
まち
)
の者より、田畑少し附属して養いおく、山番の爺は顔
丸
(
まろ
)
く、色
煤
(
すす
)
びて、
眼
(
まなこ
)
は
窪
(
くぼ
)
み、鼻
円
(
まろ
)
く
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
齢は三十四五であるが、頭の
頂辺
(
てつぺん
)
が
大分
(
だいぶ
)
円
(
まろ
)
く禿げてゐて、
左眼
(
ひだりめ
)
が潰れた眼の上に度の強い近眼鏡をかけてゐる。小形の鼻が
尖
(
とんが
)
つて、見るから一癖あり相な、抜目のない顔立である。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
またしばし、輝かす、ふくらかに
臀部
(
しり
)
の
円
(
まろ
)
みの
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“円”の意味
《名詞》
円(えん)
(エン)丸。丸い形。また、そうであるさま。
(エン)(数学)面上で、ある1点から距離の等しい点を結ぶ曲線。
(エン)ある地域一帯。
(エン)日本の通貨単位。
(出典:Wiktionary)
円
常用漢字
小1
部首:⼌
4画
“円”を含む語句
円柱
円形
円卓
円満
円座
円卓子
円頂
楕円形
大団円
円屋根
円天井
円髷
円朝
円滑
円蓋
円石
高円
円筒
円顱
円居
...