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円
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まど
ふりがな文庫
“
円
(
まど
)” の例文
旧字:
圓
形骸に
拘々
(
こう/\
)
せず、小智に区々せず、清濁のまに/\呑み
尽
(
つく
)
し、始めて如来禅を覚了すれば万行体中に
円
(
まど
)
かなり。 (天知子)
唯心的、凡神的傾向に就て(承前)
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
しかも、そうした疑問を抱きながらも、
寝台
(
ベッド
)
や
羽根蒲団
(
クッション
)
は、相変らずふくふくとして柔らかく、
円
(
まど
)
かな夢を結ぶには、好適この上もありません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ああ神よ、今宵の我が眠りを護らせ給え、末子よ卿の夢が
円
(
まど
)
かであるように。(二五八八、一一、一二、夜十一時半)
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
円
(
まど
)
らかにふくらみ充ちた肉の上に日が美しく流れた。その肉は若い生命が溢れている美しさではなく、衰亡してゆく最後の肉の美しさでもなかった。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
酔眼を
憤
(
いきどお
)
らしくあけたが、その眼の前に
躑躅
(
つつじ
)
の
叢
(
くさむら
)
が
円
(
まど
)
らかにコンモリと茂っていて、花がつばらかに咲き出していた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
時々薄れて行くと、一つの月になった。ぽうっと明り立つと、幾重にも
隈
(
くま
)
の畳まった、大きな
円
(
まど
)
かな光明になる。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
彼のその夜の眠りは
円
(
まど
)
かであった。あくる日となっても、なお
嬉々
(
きき
)
たる子たちや、貞節な妻の笑顔は、どれほど彼の
棘々
(
とげとげ
)
しい心をなだめていたかしれない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
円
(
まど
)
かなる望月ながら
生蒼
(
なまあを
)
く
隈
(
くま
)
する月の飛び雲の
叢雲
(
むらくも
)
が
間
(
あひ
)
、ふと洩れて時をり急に明るかと思ふ時なり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かくて滞留すること
半載
(
はんさい
)
あまり、折ふし晩秋の月
円
(
まど
)
かなるに誘はれて旅宿を出で、虹の松原に上る。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
永久に
囀
(
さえ
)
ずる小鳥と共に歌い暮して
蕗
(
ふき
)
とり
蓬
(
よもぎ
)
摘み、紅葉の秋は野分に穂揃うすすきをわけて、宵まで鮭とる
篝
(
かがり
)
も消え、谷間に友呼ぶ鹿の音を外に、
円
(
まど
)
かな月に夢を結ぶ。
アイヌ神謡集
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
円
(
まど
)
かなる夢百里の外に飛んで眼覚むれば有明の絹燈
蚊帳
(
かや
)
の外に
朧
(
おぼろ
)
に、時計を見れば早や五時なり。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
未だ真珠の腕輪も外さない、
裸身
(
はだかみ
)
の腕が象牙のやうにつや/\と、
円
(
まど
)
かな肉附きを見せてゐる艶めかしさに——死後さへも猶——之のみが、反抗の意を示してゐるのである。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
新婚の夢
円
(
まど
)
らかな妻をさえも——こういう主従の制度は、いったい誰が決めたのだ。
稲生播磨守
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その
円
(
まど
)
かな温かなすべてを包みすべてを識る賢くしてしかも潤いある彼の人格そのものである。彼は高さと深さと広さとを一身に具足した真に稀有な人格であったと云わねばならぬ。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
わたしの夢ははなはだ
円
(
まど
)
かであった。卒業したら国へ帰って、父のように誤診された病人の苦しみを救い、戦争の時には軍医となり、一方には国人の維新に対する信仰を促進すべく準備した。
「吶喊」原序
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
新婚の夢
円
(
まど
)
かであった格之介は、その夏、不意に京都在番を命ぜられて、数人の同僚と出京して以来、所司代屋敷のお長屋のむさくるしい部屋で、一年半に近い間、満されない月日を送っていた。
乱世
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これでは、さすがのあたしも
円
(
まど
)
かな夢路なんて辿れはしない。
鵞鳥の家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
円
(
まど
)
かなる
白玉山
(
はくぎよくさん
)
の塔の廊月の如くに冷たかりけれ
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
こひねがはくは
円
(
まど
)
かなる
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
吉光の前は、
高坏
(
たかつき
)
や、膳のものを用意させて、自分も
十八公麿
(
まつまろ
)
を抱いて、
円
(
まど
)
かな月見の席につらなっている。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何時見ても、大師は、
微塵
(
みじん
)
曇りのない、
円
(
まど
)
かな
相好
(
そうごう
)
である。其に、ふるまいのおおどかなこと。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
午夜
(
ごや
)
ふけて揺るるものあり。わが窻の硝子戸の
外
(
そと
)
、
真透
(
ます
)
かせば月に影して
凍
(
こご
)
え雲絶えず走れり。
円
(
まど
)
かなる望月ながら、
生蒼
(
なまあを
)
く
隈
(
くま
)
する月の、傾けばいよよ薄きを、あな寒や揺るる竹あり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私は自身にも器にもいってきかせるつもりで「
円
(
まど
)
カナル、ナ
外居
(
ほかい
)
セソ」
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そうでなかったら市民達の
円
(
まど
)
かな眠りは醒まされたろう
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
円
(
まど
)
かなる月の光のいはれなくふと暗がりて来る夜ふけあり (一八九頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「あのように
円
(
まど
)
かに、
夫婦
(
みょうと
)
が、一つ道を歩み、一つ唱名をして
生活
(
くら
)
すことができたら、ほんに、幸福であろうに」と、凡下たちも、自分たちの、
歪
(
ゆが
)
んでいる家庭や、
倦怠期
(
けんたいき
)
に入っている夫婦仲や
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何時見ても紫微内相は、
微塵
(
みじん
)
曇りのない
円
(
まど
)
かな
相好
(
さうがう
)
である。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
円
(
まど
)
かなる月の
後夜
(
ごや
)
としなりにけり孟宗の
秀
(
ほ
)
の大揺れの風
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山河に
輝
(
て
)
れる
今宵
(
こよひ
)
の望月の
円
(
まど
)
けき
思
(
も
)
へば我
盲
(
し
)
ひにけり
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
うち
騰
(
あが
)
り月は
円
(
まど
)
けき向う岡木の立寒し
未
(
まだ
)
しきさらぎ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鉄塔の上に
坐
(
ま
)
す
円
(
まど
)
かなる
月読
(
つきよみ
)
の神
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
前
(
さき
)
の世の
聖母
(
マドンナ
)
の、
円
(
まど
)
かな肩を。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
月から観た地球は、
円
(
まど
)
かな
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“円”の意味
《名詞》
円(えん)
(エン)丸。丸い形。また、そうであるさま。
(エン)(数学)面上で、ある1点から距離の等しい点を結ぶ曲線。
(エン)ある地域一帯。
(エン)日本の通貨単位。
(出典:Wiktionary)
円
常用漢字
小1
部首:⼌
4画
“円”を含む語句
円柱
円形
円卓
円満
円座
円卓子
円頂
楕円形
大団円
円屋根
円天井
円髷
円朝
円滑
円蓋
円石
高円
円筒
円顱
円居
...