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快
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い
ふりがな文庫
“
快
(
い
)” の例文
一
時
(
じ
)
心配した時子の病氣も、だん/\
快
(
い
)
い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。
秋は淋しい
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
白い瓜の白い皮の下には白い
快
(
い
)
い肉が包まれて居ますし、青い瓜の青い皮の下にはほんのりと青い爽かな潤ひを持つて居ます。
白瓜と青瓜
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「いや、まだ
悉皆
(
すっかり
)
快
(
い
)
いという訳には行かないよ。何でも三週間ぐらいは
懸
(
かか
)
るだろうと思うが……。
併
(
しか
)
しまあ、
生命
(
いのち
)
に別条の無いのが
幸福
(
しあわせ
)
さ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
絹子さんも郁子も追々
快
(
い
)
い方へ向いたが、一番始めに発病した千代子は中途でぶり返して又高熱に戻った。安心の積りで帰って来たお父さんは
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昼飯を食って汗になったので、天日で湯と
沸
(
わ
)
いて居る庭の
甕
(
かめ
)
の水を浴び、
籐
(
とう
)
の寝台に横になって新聞を見て居る内に、
快
(
い
)
い心地になって眠って了うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
お前さんとこうして——今朝こうして酌をしてもらッて、
快
(
い
)
い心持に酔ッて
去
(
かえ
)
りゃ、もう未練は残らない。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
快
(
い
)
い心持で見ておりましたが、その百松が自分の本当の親と判ると、自分が口添えして縛らせたような気がして、もう一刻もジッとしてはいられなかったのでした。
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうしてややしばらく痛い
腫物
(
しゅもつ
)
に
触
(
さわ
)
るような
快
(
い
)
い心持ちで男と女の二足の下駄をじっと見つめていた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
さっぱりと
快
(
い
)
い気持でしょう、したしたというこの音たまらないわね、みんな鱗の色も悪いし痩せているのね、硬い麩ばかり食べているからよ、ほら、お好きなお塩よ
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
看護婦がどうも分らないと答えると、隣の人はだいぶん
快
(
い
)
いので朝起きるすぐと、運動をする、その器械の音なんじゃないか
羨
(
うらや
)
ましいなと
何遍
(
なんべん
)
も繰り返したと云う話である。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしね、こんな
塩梅
(
あんばい
)
ならば、まあ結構だと思って、新さん、あなたの処へおたよりをするのにも、段々
快
(
い
)
い方ですからお案じなさらないように、そういってあげましたっけ。
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃ、ちっとは新さんも
快
(
い
)
い方だと見えるね? そうやってお前が出歩くとこを見ると」
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
巴里
(
パリイ
)
で飲むなら一
壜
(
びん
)
八フランも取られる
三鞭
(
シヤンペン
)
質の
美味
(
うま
)
い酒だが、
此処
(
ここ
)
では産地が近くて税が軽いから
纔
(
わづか
)
に二フラン五十の散財で
快
(
い
)
い気持に酔ひ
乍
(
なが
)
ら、更に村外れまで徒歩を試みた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
海が近いし、しかも夜は秋、丘の上の宏壮な豪族の館なので、寝ごこちは実に
快
(
い
)
い。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫂
(
あによめ
)
の病気は少しも
快
(
い
)
い方に向わないで、だんだん重くなって行きそうであった。それを岸本は自分で見舞に行った時に
看
(
み
)
て来たばかりでなく、谷中から来る種々な報告で知るように成った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今日
(
けふ
)
は
天氣
(
てんき
)
が
快
(
い
)
いからとて、
幻花子
(
げんくわし
)
が
先導
(
せんだう
)
で、
狹衣
(
さごろも
)
、
活東
(
くわつとう
)
、
望蜀
(
ばうしよく
)
の三
子
(
し
)
が、
鍬
(
くわ
)
を
擔
(
かつ
)
いで
權現臺
(
ごんげんだい
)
に
先發
(
せんぱつ
)
した。
後
(
あと
)
から
余
(
よ
)
も
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
養鷄所
(
やうけいじよ
)
の
裏手
(
うらて
)
の
萱原
(
かやはら
)
の
中
(
なか
)
を、四
人
(
にん
)
て
連
(
しき
)
りに
掘散
(
ほりち
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
出来るものならば、この天地を
引裂
(
ひつさ
)
いて、この世の中を闇にして、それで、自分も
真逆様
(
まつさかさま
)
にその暗い深い穴の中に落ちて行つたなら、
何
(
ど
)
んなに心地が
快
(
い
)
いだらうといふやうな浅ましい心が起る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
爰
(
ここ
)
で
産落
(
うみおと
)
されては大変と、
強
(
むり
)
に行李へ入れて押え付けつつ静かに背中から腰を
撫
(
さす
)
ってやると、
快
(
い
)
い気持そうに
漸
(
やっ
)
と落付いて、暫らくしてから一匹産落し、とうとう
払暁
(
あけがた
)
まで掛って九匹を取上げたと
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
瑠璃草
(
るりさう
)
、アンゴラの生れか、手ざはりの
快
(
い
)
い、柔かい
女猫
(
めねこ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「このごろはちっとは
快
(
い
)
いかね。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「もう
快
(
い
)
いのですか」
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
「はあ、お
庇様
(
かげさま
)
で
大分
(
だいぶ
)
快
(
い
)
い
方
(
ほう
)
で……。何、大丈夫だとお医者も云って居ますが……。何しろ、一時は
胆
(
きも
)
を潰しましたよ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「えゝ。あの通り
性急
(
せっかち
)
ですから、
快
(
い
)
いとなるともう
凝
(
じ
)
っとしていられないのです。その節は
種々
(
いろいろ
)
とお世話を戴きまして、宜しくお礼を申上げてくれと言いつかって参りました」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし、そのためにひとしお静けさを増すかのように思われる。あんまり
快
(
い
)
い気持ちなので、私は
肱
(
ひじ
)
を枕にしたまま、足の先を
褞袍
(
どてら
)
の
裾
(
すそ
)
にくるんで、うつらうつらとなっていた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
風は
冷
(
つめた
)
し、
呼吸
(
いき
)
ぬきかたがた、買った敷島をそこで吸附けて、
喫
(
ふ
)
かしながら、堅い
薄縁
(
うすべり
)
の板の上を、足袋の裏
冷々
(
ひやひや
)
と、
快
(
い
)
い心持で
辷
(
すべ
)
らして、懐手で、一人で桟敷へ帰って来ると
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
村中で
唯一人
(
ただひとり
)
のチョン髷の持主、彼に対してはいつも
御先生
(
ごせんせい
)
と挨拶する佐平爺さんは、
荒蓆
(
あらむしろ
)
の上にころり横になって、
肱枕
(
ひじまくら
)
をしたが、風がソヨ/\吹くので直ぐ
快
(
い
)
い気もちに眠ってしまったと見え
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ガラッ八はそんな事を言って、
快
(
い
)
い心持そうにニヤニヤしました。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
顔いろもよし、気分もこの二、三日は、わけて
快
(
い
)
いという。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ、無理をしずに寝て居たまえ。
阿父
(
おとっ
)
さんは
何
(
ど
)
うも飛んだ事だったね。そこで、君の
痛所
(
いたみしょ
)
は
何
(
ど
)
うだ。もう
快
(
い
)
いのか。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「有難う。お蔭でもう
悉皆
(
すっかり
)
快
(
い
)
い。あゝ、店へ帰ると生き返ったような心持がする」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「なに、
昨日
(
きのう
)
一日休んでいたからもう
快
(
い
)
いんですよ。わがままばかりいっているんですよ。……ほんとにあなたにお気の毒さまです。あんな
女
(
ひと
)
だと思ってどうぞ末永く
可愛
(
かわい
)
がってやって下さい」
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「だんだん
快
(
い
)
いようで、外科も驚いていますよ」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は少しく酔っていたので、茶屋から駕籠にゆられながら
快
(
い
)
い心持ちにうとうとと眠って行くと、夢かうつつか、温かい柔かい手が蛇のように彼の
頸
(
くび
)
にからみ付いた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「もう
全然
(
すっかり
)
快
(
い
)
んですよ。いいけれども、何か薬を当てがってもう一日寝かして置きましょう。又何をするか知れませんから其方が安全です。
彼様
(
ああ
)
いう子は床の中へ入れて置きさえすれば間違ないです」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「段々
快
(
い
)
いやうで、外科も驚いてゐますよ」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「兎に角来る度に
快
(
い
)
い方へ向いていますから、張合がありますよ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いかにも
快
(
い
)
い心持そうです。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
最早
(
もう
)
悉皆
(
すっかり
)
快
(
い
)
いんです」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“快”の意味
《名詞》
(カイ) 気持ちがよいこと。
(出典:Wiktionary)
“快(
快感
)”の解説
快感(かいかん、el: ἡδονή, 、la: voluptas、en: pleasure)は、気持ち良いと感じる事。快楽(かいらく)、享楽(きょうらく)とも。喜び・幸せ・満足等の感情と密接に結びついている。
(出典:Wikipedia)
快
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“快”を含む語句
爽快
愉快
不快
全快
快活
快方
快楽
快濶
快癒
快樂
快走艇
心快
明快
快適
快感
快哉
不愉快
痛快
快諾
快然
...