“産落”の読み方と例文
読み方割合
うみおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
致し方がないから産落うみおとした女のを連れて、お熊は深川の網打場へ引込ひきこみ、門番の勘藏は新左衞門の若様新吉と云うのを抱いて、自分の知己しるべの者が大門町だいもんちょうにございますから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ここ産落うみおとされては大変と、むりに行李へ入れて押え付けつつ静かに背中から腰をさすってやると、い気持そうにやっと落付いて、暫らくしてから一匹産落し、とうとう払暁あけがたまで掛って九匹を取上げたと
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
眼前めのまえに戯れ遊ぶ次郎を見ていても、直ぐ彼の胸には平気で居られないような聯想れんそうが迫って来た。節子の産落うみおとしたという男の児は丁度この短い着物に巾着きんちゃくなぞを着けた嫂の子供と同じ年齢としであったから。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)