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璧
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たま
ふりがな文庫
“
璧
(
たま
)” の例文
モウ
連城
(
れんじょう
)
の
璧
(
たま
)
を手に握ったようなもので、
夫
(
そ
)
れから原書は大事にしてあるから
如何
(
どう
)
にも
気遣
(
きづかい
)
はない。しらばくれて
奥平壹岐
(
おくだいらいき
)
の家に行て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一五
家に久しき
男
(
をのこ
)
に
一六
黄金
(
わうごん
)
一枚かくし持ちたるものあるを聞きつけて、ちかく召していふ。
一七
崑山
(
こんざん
)
の
璧
(
たま
)
もみだれたる世には
瓦礫
(
ぐわれき
)
にひとし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
然
(
しか
)
れども水神ありて
華陰
(
かいん
)
の夜に現われ、
璧
(
たま
)
を使者に托して、今年
祖龍
(
そりゅう
)
死せんと
曰
(
い
)
えば、
果
(
はた
)
して始皇やがて
沙丘
(
しゃきゅう
)
に崩ぜり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「大王には宝ではございますまいが、私に取っては
連城
(
れんじょう
)
の
璧
(
たま
)
でも、これにはおっつかないと思っております。」
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
瞬
(
またゝ
)
く
間
(
ま
)
に、
雁
(
かり
)
は
炭燒
(
すみやき
)
に
屠
(
ほふ
)
られたが、
民子
(
たみこ
)
は
微傷
(
かすりきず
)
も
受
(
う
)
けないで、
完
(
まつた
)
き
璧
(
たま
)
の
泰
(
やす
)
らかに
雪
(
ゆき
)
の
膚
(
はだへ
)
は
繩
(
なは
)
から
拔
(
ぬ
)
けた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
小野さんはすぐ来るのみならず、来る時は必ず
詩歌
(
しいか
)
の
璧
(
たま
)
を
懐
(
ふところ
)
に
抱
(
いだ
)
いて来る。夢にだもわれを
弄
(
もてあそ
)
ぶの意思なくして、
満腔
(
まんこう
)
の誠を捧げてわが
玩具
(
おもちゃ
)
となるを栄誉と思う。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
匂うような頬、滴るような唇、精練され切った、銀鈴のような声、この女の全身は、卯の毛で突いたほどの
瑕
(
きず
)
も無い、千乗の
璧
(
たま
)
の如く清らかに、美しかったのです。
新奇談クラブ:01 第一夜 初夜を盗む
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御両親は
掌中
(
たなぞこ
)
の
璧
(
たま
)
と
愛
(
め
)
で
慈
(
いつく
)
しみ、
後
(
あと
)
にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば
猶
(
なお
)
さらに
撫育
(
ひそう
)
される
中
(
うち
)
、
隙
(
ひま
)
ゆく
月日
(
つきひ
)
に
関守
(
せきもり
)
なく、今年は
早
(
は
)
や嬢様は十六の春を迎えられ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
道のあちらこちらにはパル(匂いある黄色の
皐月
(
さつき
)
花)、スル(同じ
赤皐月
(
あかさつき
)
)その他いろいろの草花に
雫
(
しずく
)
の溜って居る様は、あたかも
璧
(
たま
)
を山間に連ねたかのごとくに見えて居ります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
『博物志』に孔子の弟子
澹台滅明
(
たんだいめつめい
)
璧
(
たま
)
を持って河を渡る時、河伯その璧を欲し二蛟をして船を夾ましむ。滅明左に璧右に剣を操って蛟を撃ち殺し、さてこんな目腐り璧はくれてやろうと三度投げ込んだ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「お前を殺せば、
璧
(
たま
)
が何處かへ消えるとでもいふのかね?」
盈虚
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
互に得たる
幸福
(
しあはせ
)
を互に深く讚歎し合ふ、
爾時
(
そのとき
)
長者は
懐中
(
ふところ
)
より真実の
璧
(
たま
)
の蓮華を取り出し兄に与へて、弟にも真実の砂金を袖より出して
大切
(
だいじ
)
にせよと与へたといふ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは大きな
連城
(
れんじょう
)
の
璧
(
たま
)
を得た喜びにもまさっていた。そこで盆の上に
伏
(
ふ
)
せて飼い、粟や米を
餌
(
えさ
)
にして、手おちのないように世話をし、期限の来るのを待って献上しようと思った。
促織
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
たとえ天下の名玉
崑山
(
こんざん
)
の
璧
(
たま
)
でも乱世には瓦や石ころ同然、無価値に等しいものだ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それと同じ事で我々の心もまた死んだからというて決して
滅
(
めっ
)
するものでない。再びこの世に生れ変って来るものであるということを確かに信じて居るのは、いわゆる
瓦礫
(
がれき
)
中の
璧
(
たま
)
であるです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
一身の
尊
(
たっと
)
きこと
玉璧
(
ぎょくへき
)
もただならず、これを犯さるるは、あたかも夜光の
璧
(
たま
)
に
瑕瑾
(
きず
)
を生ずるが如き心地して、片時も注意を
怠
(
おこた
)
ることなく、
穎敏
(
えいびん
)
に自ら
衛
(
まも
)
りて、始めて私権を全うするの場合に至るべし。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
引き掛った男は夜光の
璧
(
たま
)
を迷宮に尋ねて、紫に輝やく糸の十字万字に、魂を
逆
(
さかしま
)
にして、
後
(
のち
)
の世までの心を乱す。女はただ心地よげに見やる。
耶蘇教
(
ヤソきょう
)
の牧師は救われよという。
臨済
(
りんざい
)
、
黄檗
(
おうばく
)
は悟れと云う。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お前を殺せば、
璧
(
たま
)
が何処かへ消えるとでもいうのかね?」
盈虚
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ムヽ親方と十兵衞とは相撲にならぬ身分の
差
(
ちが
)
ひ、のつそり相手に争つては夜光の
璧
(
たま
)
を
小礫
(
いしころ
)
に
擲付
(
ぶつ
)
けるやうなものなれば、腹は十分立たれても分別強く堪へて堪へて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
四四
ふところの
璧
(
たま
)
をうばはれ、
挿頭
(
かざし
)
の花を
四五
嵐にさそはれしおもひ、泣くに涙なく、叫ぶに声なく、あまりに嘆かせたまふままに、火に
焼
(
や
)
き、土に
葬
(
はうむ
)
る事をもせで、
四六
臉
(
かほ
)
に臉をもたせ
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
蛟龍
(
こうりゅう
)
の
璧
(
たま
)
を
弄
(
ろう
)
する ような天然画の有様がある。そうしてその両岸の山の黒岩の間に斑紋になって居る雪は、あたかも
斑
(
まだら
)
に飛んで居る〔白〕雲のごとき有様に想像されて余程面白く感じたです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ムム親方と十兵衛とは
相撲
(
すもう
)
にならぬ身分の
差
(
ちが
)
い、のっそり相手に争っては夜光の
璧
(
たま
)
を
小礫
(
いしころ
)
に
擲
(
ぶ
)
つけるようなものなれば、腹は十分立たれても分別強く
堪
(
こら
)
えて堪えて
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あのしなやかなる黒髪
引詰
(
ひきつめ
)
に結うて、
腸
(
はらわた
)
見えたるぼろ畳の上に、
香露
(
こうろ
)
凝
(
こ
)
る
半
(
なかば
)
に
璧
(
たま
)
尚
(
なお
)
輭
(
やわらか
)
な
細軟
(
きゃしゃ
)
な
身体
(
からだ
)
を
厭
(
いと
)
いもせず、なよやかにおとなしく
坐
(
すわ
)
りて
居
(
い
)
る事か、人情なしの七蔵め
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その時長者は
懐中
(
ふところ
)
より
真実
(
まこと
)
の
璧
(
たま
)
の蓮華を取り出し兄に与えて、弟にも真実の砂金を袖より出して
大切
(
だいじ
)
にせよと与えたという、話してしまえば小供
欺
(
だま
)
しのようじゃが仏説に
虚言
(
うそ
)
はない
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“璧”の解説
璧(へき)は、古代中国で祭祀用あるいは威信財として使われた玉器。
多くは軟玉から作られた。形状は円盤状で、中心に円孔を持つ。表面に彫刻が施される場合もある。
(出典:Wikipedia)
璧
常用漢字
中学
部首:⽟
18画
“璧”を含む語句
双璧
白璧
完璧
全璧
趙璧
連璧
二教合璧論
連珠合璧
返璧
璧隣
璧州
璧人
玉璧
洪璧
尺璧
完璧々々
宋鄭景璧
君璧
合璧事類