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珠玉
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たま
ふりがな文庫
“
珠玉
(
たま
)” の例文
黄金の
輿
(
こし
)
、
珠玉
(
たま
)
の
輦
(
くるま
)
もおろかである、女一人に、あまりに
冥加
(
みょうが
)
にすぎた迎えであると八雲は思った。闇を走りながら、
瞼
(
まぶた
)
の熱くなるのを覚えた。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
願う事の
叶
(
かな
)
わばこの黄金、この
珠玉
(
たま
)
の飾りを脱いで窓より下に投げ付けて見ばやといえる
様
(
さま
)
である。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
恰度
(
ちょうど
)
そのころ、三斎隠居は、わが居間で、例の、
珠玉
(
たま
)
いじりをしながら、ふと、考え込んでいた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
天衣無縫と言おうか、鳥道
蹤
(
あと
)
なしと言おうか、まるで引っかかりがありません。ただすべすべした
珠玉
(
たま
)
でありました。そして当人はそれを無理に努めているようにも見えません。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
含んでいるうちに
珠玉
(
たま
)
の溶けてゆくような気持を喜んで、一杯、一杯と傾けている——
蚊遣火
(
かやりび
)
の
烟
(
けむり
)
が
前栽
(
せんざい
)
から横に
靡
(
なび
)
き、縦に上るのを、じっと見ている様子は、なんのことはない
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
何ぞ早や、しるしに残るものを、と言うて、
黄金
(
こがね
)
か、
珠玉
(
たま
)
か、と尋ねさっしゃるとの。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紳士と連れ立った淑女達や、大きな
金剛石
(
ダイヤ
)
の指輪を飾った俳優じみた青年や、
翡翠
(
ひすい
)
の帽子を戴いて、靴先に
珠玉
(
たま
)
をちりばめた貴婦人などの散歩するのに似つかわしい街の姿である。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
特に
眼瞼
(
まぶた
)
のあたりは滴るやうな美しさで、その中に輝いてゐる怜悧さうなやゝ
劒
(
けん
)
のある双の瞳は
宛然
(
さながら
)
珠玉
(
たま
)
のやうだ。暑くなつたのだらう、切りに額の汗を拭いて、そして
鬢
(
びん
)
をかき上ぐる。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「わしがはじめて見た時の——いやいやそこ許にはじめて逢うまでの呉羽之介は
珠玉
(
たま
)
じゃった」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それはちょうど、一刻、一日ごとに、血まみれな心になって磨いてゆく
珠玉
(
たま
)
にひとしい。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蜘蛛の囲の虫
晃々
(
きらきら
)
と輝いて、
鏘然
(
しょうぜん
)
、
珠玉
(
たま
)
の
響
(
ひびき
)
あり。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
珠玉
(
たま
)
のかんばせに、
恒
(
つね
)
ならず血を上らせているのは、心中にむらむらと燃え立ち渦巻く
憤怨
(
ふんえん
)
のほむらを、やっとのことでおさえつけているためなのだろうが、しかしよそめには
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
珠玉
(
たま
)
の
輦
(
くるま
)
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蚕豆
(
そらまめ
)
ほどの大きさから、小さいので
小豆粒
(
あずきつぶ
)
位の透きとおり輝く紅玉の
珠玉
(
たま
)
を、一つ一つ、灯にかざしては、うこんの布で拭きみがき、それを
青天鵞絨
(
あおビロード
)
張りの、台座に
篏
(
は
)
めながら
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
“珠玉”の意味
《名詞》
海で採れる真珠と山でとれる玉。
詩文、芸術などで美しく優れたもの。
(出典:Wiktionary)
珠
常用漢字
中学
部首:⽟
10画
玉
常用漢字
小1
部首:⽟
5画
“珠玉”で始まる語句
珠玉篇